談志と私12
三木男独演会の日が来た。
2009年5月7日
初めての独演会は、内幸町ホール
千代田区立のホールでキャパ200人
二つ目の独演会としては立派なホールだった。
6時半開場7時開演
開演してお客様を迎え入れていると係の人が「談志師匠入られました。」
私はお客様の迎えそこそこに飛んで行った。
ご子息が一緒だったので「師匠どうも」
無視
照れ隠し
早い時間に来たことを恥じている。
機嫌は良い!!
一旦楽屋へ入れ、お客様の迎えを
開演
息子の晴れ姿見たいが、ゲストも心配
楽屋へ
久しぶりの談志の高座に弟子がたくさんいる。
「具合が悪い…薬を」に私はいち早く反応
ソファーに座っているので寝転ばれたらアウトなので、私もソファーに座って話す。
久しぶりの高座に弟さんも来ている。
だんだん談志の機嫌は上向き
ちょっと抜け出す。
そのちょっとに紋付き袴に着替え弟子の数人と揉めている。
話を聞くと顔色が悪いのでファンデーションを付けて来たが顔を洗いたい…ファンデーションなら私が持っているので顔を洗え!!
紋付きの袖口を数人が持ち洗顔
立川流の掟は知らないが家元ともなると、軽く扱えないらしい…洗顔後の顔拭きもおずおず
私はタオルを受け取るとごしごし拭いた。
ファンデーションを付け終わると「朝から何も食べていないので腹が減った。」
談志の好きなサンドイッチも用意万端
サンドイッチを食べさせる。
三木男の高座が気になるらしい…ネタは「宿屋の仇討ち」
それを聴いて「完璧だ!!」と言う談志を呆れて見ていた。
二つ目に成り立ての落語が完璧なはずないだろう!
そして談志高座へ
私もやっと客席へ
すると枕が長い…ネタはやらないのか!?
喋り始めた「孝行糖」
持ち時間30分を大幅にオーバー
お客様はほとんど談志ファンだから致し方なし
終わると興奮した談志が高座から降りて来た。
「見たか!?素晴らしい出来だろう!」
家族揃って喜んでいる。
ずっと思うような落語を出来なかった談志はご満悦
どんなに楽しんで落語をやったか!?見たい方は談志の遺影をご覧あれ♪
あの遺影は、三木男独演会の写真だ!!
ご子息が「こんなに楽しんで落語やっていたのは、あの日だけです」と選んでくれた。
私は高座の興奮覚めらぬ談志の楽屋で寸志を渡さなければならなかった。
寸志
あまりの金額に三木男が尻込みしたのだ。
そのペラペラの寸志を大勢の弟子のいる前で渡す。
「ねぇ師匠お金いっぱい持っているでしょう!!だからこれ寸志。」と言うと「こいつお金いっぱい持っているでしょうと来やがった。」とあくまでもご機嫌。
そして「いいか!?これはお前への貸しだ!!」
「えっ!?私…三木男でしょう!!」
「いやお前だ!!しかし、借りっていうのはな、すぐに返さない…ずっと温めておいて♪いずれ恩にするんだ…だからお前から金は受け取らない」
とり囲んでいた弟子は目がテン
自分たちの落語会には出てもくれない家元が…
それからすぐに談志は座布団を抱え高座へ向かう。
「何するのよ?」
「ファンサービスだ。三木男が終わったら三木男と対談だ。」
ただでさえ終わり時間を押しているのに…するとホールの方々は「構いませんよ!!素晴らしい耳の保養だ。」
三木男の高座が終わり何も知らない三木男は座布団をよけ頭を下げる。
緞帳が降りてくる筈が、客の声援
気配に振り向くと座布団を抱えた談志
狭い高座に詰めろと合図
いつもの談志の書斎なら遠慮なく話せる三木男も狭い高座で並ぶと苦笑いのみ
談志の一人舞台で対談は幕を閉じた。
続く
2009年5月7日
初めての独演会は、内幸町ホール
千代田区立のホールでキャパ200人
二つ目の独演会としては立派なホールだった。
6時半開場7時開演
開演してお客様を迎え入れていると係の人が「談志師匠入られました。」
私はお客様の迎えそこそこに飛んで行った。
ご子息が一緒だったので「師匠どうも」
無視
照れ隠し
早い時間に来たことを恥じている。
機嫌は良い!!
一旦楽屋へ入れ、お客様の迎えを
開演
息子の晴れ姿見たいが、ゲストも心配
楽屋へ
久しぶりの談志の高座に弟子がたくさんいる。
「具合が悪い…薬を」に私はいち早く反応
ソファーに座っているので寝転ばれたらアウトなので、私もソファーに座って話す。
久しぶりの高座に弟さんも来ている。
だんだん談志の機嫌は上向き
ちょっと抜け出す。
そのちょっとに紋付き袴に着替え弟子の数人と揉めている。
話を聞くと顔色が悪いのでファンデーションを付けて来たが顔を洗いたい…ファンデーションなら私が持っているので顔を洗え!!
紋付きの袖口を数人が持ち洗顔
立川流の掟は知らないが家元ともなると、軽く扱えないらしい…洗顔後の顔拭きもおずおず
私はタオルを受け取るとごしごし拭いた。
ファンデーションを付け終わると「朝から何も食べていないので腹が減った。」
談志の好きなサンドイッチも用意万端
サンドイッチを食べさせる。
三木男の高座が気になるらしい…ネタは「宿屋の仇討ち」
それを聴いて「完璧だ!!」と言う談志を呆れて見ていた。
二つ目に成り立ての落語が完璧なはずないだろう!
そして談志高座へ
私もやっと客席へ
すると枕が長い…ネタはやらないのか!?
喋り始めた「孝行糖」
持ち時間30分を大幅にオーバー
お客様はほとんど談志ファンだから致し方なし
終わると興奮した談志が高座から降りて来た。
「見たか!?素晴らしい出来だろう!」
家族揃って喜んでいる。
ずっと思うような落語を出来なかった談志はご満悦
どんなに楽しんで落語をやったか!?見たい方は談志の遺影をご覧あれ♪
あの遺影は、三木男独演会の写真だ!!
ご子息が「こんなに楽しんで落語やっていたのは、あの日だけです」と選んでくれた。
私は高座の興奮覚めらぬ談志の楽屋で寸志を渡さなければならなかった。
寸志
あまりの金額に三木男が尻込みしたのだ。
そのペラペラの寸志を大勢の弟子のいる前で渡す。
「ねぇ師匠お金いっぱい持っているでしょう!!だからこれ寸志。」と言うと「こいつお金いっぱい持っているでしょうと来やがった。」とあくまでもご機嫌。
そして「いいか!?これはお前への貸しだ!!」
「えっ!?私…三木男でしょう!!」
「いやお前だ!!しかし、借りっていうのはな、すぐに返さない…ずっと温めておいて♪いずれ恩にするんだ…だからお前から金は受け取らない」
とり囲んでいた弟子は目がテン
自分たちの落語会には出てもくれない家元が…
それからすぐに談志は座布団を抱え高座へ向かう。
「何するのよ?」
「ファンサービスだ。三木男が終わったら三木男と対談だ。」
ただでさえ終わり時間を押しているのに…するとホールの方々は「構いませんよ!!素晴らしい耳の保養だ。」
三木男の高座が終わり何も知らない三木男は座布団をよけ頭を下げる。
緞帳が降りてくる筈が、客の声援
気配に振り向くと座布団を抱えた談志
狭い高座に詰めろと合図
いつもの談志の書斎なら遠慮なく話せる三木男も狭い高座で並ぶと苦笑いのみ
談志の一人舞台で対談は幕を閉じた。
続く