談志と私4 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

談志と私4

次に談志が現れたのは、弟三木助の自殺の後だった。

次々と見舞いの電話が鳴る中私は疲れ仮眠を取っていた。

あわただしく母に起こされたのは、咄家の不問律である10時からの電話だった。

母が電話に出ると「茂子か?」

「いえ仲子です」

「お前には用はない。茂子を出せ」

「どちら様ですか?」

「俺は談志だ!!」

母は私を起こしながら「失礼しちゃうわよ!!お前に用はないだって」

私が電話に出ると「茂子…俺は正月で忙しい。だけどなんとか時間を作るから俺に会う日まで死なないでくれ」

確かに弟三木助の自殺は、相当堪えていたが死ぬつもりはなかった。

しかし、それから毎日10時になると談志から同じ内容の電話が数日あった。

やっと「茂子…時間を作った。20日の夕方銀座で」

行き付けの店だった。

それでも、毎日同じ内容の電話が来る。

「死なないから大丈夫!」と言っても納得しなかった。

そして約束の20日私は、銀座のクラブで談志を待った。