空白の2年 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

空白の2年

私は、出戻りとなり仕事を探さねばならなかった。

銀行員と自民党

職歴はそれだけ

知人の紹介で赤坂東急ホテルに出来たカラオケなるものの司会をすることになった。

そこの支配人に「カラオケってなんですか?」と尋ねたら「カラ(何もない)オーケストラの略です。」本当か嘘か知らない。

それまでは、ピアノやギターの弾き語りをバックに皆歌っていた。

私はドレスを着てステージでカラオケの司会

今ほどカラオケは身近なものではなかった。

赤坂東急の地下の大ホールがテーブル席のバーになり、カラオケのセッティングは技術者が2人

私はステージで客のリクエストカードでまんべんなく客を歌わせる。

前方と両脇には大画面のモニター

歌っている客を写し出す。

そこで半年

みるみるカラオケスナックが出来てきた。

当然引き抜き

大手のカラオケスナックで司会

そのうち六本木からスカウト

遊びも六本木だったから、そこへ移った。

次第に追っかけもついて来る。

その追っかけの女性と軽めの食事

すると、歯医者と名乗る男が相席を申し出た。

食事も済んでコーヒータイム

歯医者は話しかける。

「今から友達来るけど一緒に飲まない?」

「これから仕事」

「そうなんだ。ところでうちは何処?」

「田端」

「えっ、今から来る友達も田端」

一転私の眉間にシワ

「落語家ってわかる?友達落語家なんだよ。柳家小太郎…知らないよね」

固まる。

「落語家と飲んでみたくない?」

(家族会議じゃあるまいし)
「そいつ、六本木で有名な盛夫」

私は、間もなく来るという盛夫に慌てた。

「あれ?盛夫知っている。もしかしてナンパされた!?あいつの好みそうだもんね!!」

雑木林ではないが、弟は狐顔好みで私は狸顔

弟は極細好みで私は単なる痩せ型

私は「盛夫って私の弟、ここの勘定盛夫に払わせておいて♪」と逃げ帰った。

呆気に取られる歯医者を残して店を出た。

世の中広いようで狭い!!