師匠命令 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

師匠命令

呼び出された喫茶店で待っていると馬生師匠がのほほんと現れた。

気まずい一瞬

「あのね…三木男に独演会やらせなさい。あんたの顔でゲスト呼んで!年に3、4回やらなかったら破門だよ。だいたい今まで私が面倒みて来たんだから、そろそろお前も出番だよ」と言うと運ばれて来たコーヒーを一気に飲み伝票を持って立ち上がった。


私も慌てて立つ。

喫茶店を出ると、「独演会やらせなかったら破門だよ」と手を振り帰って行った。


独演会なら本人に言えば良いのに何故二つ目の母親を呼んだのだろう。

帰って三木男に詳細を話した。

「ふう~ん」

他人事だ。

私は思わず「金原亭っていうのは、独演会やらせるのに、いちいち母親呼ぶの?」と聞いた。

「知らない」

弟が二つ目の時は、ゲストは小さんだったり、志ん朝、談志、柳朝だった。

あんたの顔は、もう効力を失っていた。

困ったなぁー

そしたら、年が明け1月2日になった。

1月2日は小さんの誕生日だった。

だがしかし、もう一人誕生日の人がいた。


立川談志。

どこで聞きつけたのか、今年は談志の弟子は出禁だった。

なら、寂しいだろうからと三木男紋付き私軽装でタクシーで談志の家に向かった。

タクシーが談志のマンションの前で止まると三木男が「あっ師匠だ!」と叫んだ。

後1分遅かったら散歩に出かけてしまっていた。

運命の神は、三木男に味方した。

続く