影の役目 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

影の役目

息子が噺家になり、21歳の時口説かれた談志と再び縁が繋がった。

途中胃癌の手術をした談志を見舞い、「まだお前に惚れ込んでいるよ。」と言われた。


でもそのまま三木助の死を迎え「茂子頼む。俺と会うまで生きていてくれ」と言われ再会した。

銀座のクラブで談志は私を思いきり抱きしめて銀座のクラブを梯子した。


ソニービルの前の通りで淡いキスをした。

帰りのタクシーで私を抱き寄せポケットの有り金を私に手渡した。

そして息子の噺家

弟子でもない息子を我が子のように可愛がって、私を大事にしてくれた。


そんな談志が咽頭癌

師弟の関係をとやかくは言えない。

弟三木助も別に小さんに憧れて弟子入りしたのではない。

金むくのダンヒルのライターが欲しかっただけで噺家になった。


多分父三木助も東京に居られなくなり、関西に行ったが、二代目桂三木助師匠の弟子になりたいと思って関西に行ったのではないと思う。


愚息も馬生師匠の弟子になりたいと思って弟子入りしたのではないからだ。


しかし立川流にいると師弟関係の厳しさがわかる。

一門は皆談志を扱いかねている雰囲気がある。

大きな落語会の前には、自然と連絡が入り談志の落ち込んだ気持ちの持ち上げに借り出される。


多分三木男独演会で談志の行動が立川流で一人歩きしたのだろう。
弟子の誰かの会に「ゲストは俺じゃダメか?」と言う気弱な談志はいなかったのだろう。

独演会のゲストとなりご機嫌に枕振り倒し45分熱演…と言う談志もいなかっただろう。


高座が終わり盛り上がる楽屋に「お金いっぱい持っているでしょう。だからこれ気持ち」って言われ「俺はお前から金取る気はないよ。これは貸しだ。貸しはすぐに返してはいけないんだ。大事にして恩にするんだ。」なんて粋なことする談志もいなかっただろう。


まだ長いので続く。