派遣の階段 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

派遣の階段

本部の11階の喫茶室に皆集まっていた。


「やあ小林さん我等がヒロインのご到着や」高木は関西人である。

ご機嫌な時ほど関西弁が出てくる。


「どうしたんですか?ご機嫌じゃないですか…」


すると鴻池が「来たんです。豊洲支店開設準備室から…指名があったんですよ!小林さんを」


意味深に笑った。


傍で高木もニコニコとしている。

松井がじれったそうに説明してくれた。


いずみ銀行が合併してか閉店する支店はいくつもあったが、合併して3年、初めていずみ銀行が支店を立ち上げる。


それが、いずみ銀行豊洲支店だった。


その豊洲支店の新規口座開設の受付に、いずみ銀行はなんと派遣の私を指名してきたらしい。

「支店の開設に携われるんですよ…こんな機会めったにない!行員だって憧れるのに、派遣で指名ですよ。開設準備室から君のところの派遣スタッフに小林茂子さんっていたね!って言われた時にピーンと来ましたよ。また小林さん一段ステップアップしたなぁ~って…とりあえずお祝いで出掛けましょう。今夜僕がタクシーで送りますから」あくまでも高木は饒舌で興奮を抑えきれない感じだった。