派遣の階段
「どのような不正ですか?」
クレジット会社の人は押し黙る。
「私は獲得しろ!と言われているので業務を遂行させているのです」
「しかし、2位との差が300件ちがう」
「じゃあ200件だけに留めれば良いのですが?」
また押し黙る。
「先程見ていた事実が確かですから…ご覧になったでしょう。私がお客様を誘導するのを」と私は答える。
その日葛西支店長に電話して「獲得すれば、したで不正の疑いをかけられ、件数が少ないと叱られる…どうすれば良いでしょう。…」
すると葛西支店長はあるダイヤルを教えてくれた。
私が高尾銀行の時に面倒を見ていた後輩がクレジット会社の専務になっているので相談するように……
私はすぐに電話して後輩をつかまえ事の顛末を話した。
もちろん後輩は私を覚えていた。
後日談だが、その日専務が部長を通り越し直接課長の本間氏を呼び出した。
「小林さんの営業センスは僕も知っている。それを不正扱いするとは何事か!」と「もし今彼女が辞めたら、いずみ銀行にとっても、我社にとっても莫大な損失だ!君はそんな事も考えられないのか?」
専務室を出た課長は自分の部屋のごみ箱を全て蹴散らし「派遣なんかに紛れ込みやがって」と怒ったらしいが私は派遣のおばさんだった。
クレジット会社の人は押し黙る。
「私は獲得しろ!と言われているので業務を遂行させているのです」
「しかし、2位との差が300件ちがう」
「じゃあ200件だけに留めれば良いのですが?」
また押し黙る。
「先程見ていた事実が確かですから…ご覧になったでしょう。私がお客様を誘導するのを」と私は答える。
その日葛西支店長に電話して「獲得すれば、したで不正の疑いをかけられ、件数が少ないと叱られる…どうすれば良いでしょう。…」
すると葛西支店長はあるダイヤルを教えてくれた。
私が高尾銀行の時に面倒を見ていた後輩がクレジット会社の専務になっているので相談するように……
私はすぐに電話して後輩をつかまえ事の顛末を話した。
もちろん後輩は私を覚えていた。
後日談だが、その日専務が部長を通り越し直接課長の本間氏を呼び出した。
「小林さんの営業センスは僕も知っている。それを不正扱いするとは何事か!」と「もし今彼女が辞めたら、いずみ銀行にとっても、我社にとっても莫大な損失だ!君はそんな事も考えられないのか?」
専務室を出た課長は自分の部屋のごみ箱を全て蹴散らし「派遣なんかに紛れ込みやがって」と怒ったらしいが私は派遣のおばさんだった。