古今亭 志ん朝師匠の約束 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

古今亭 志ん朝師匠の約束

2001年1月16日ホテルオークラで『ミッキーを送る会』が行われた。


数多くの方々にご列席賜り、盛大に『四代目桂三木助』は旅立って行った。


その際ご臨席を賜わった数多くの列席者の中で落語協会を代表して志ん朝師匠からお言葉を戴いた。


その言葉の中で志ん朝師匠は『この世界の中で我々二世と呼ばれる人間がいる。その二世は少なからず他の噺家より恩恵を受けている。こう言う私も恩恵を受けている一人だ!今日からは、亡くなった三木助の分まで受けた恩恵を返すつもりで精進して参ります。』
たくさんの拍手が沸いた。

どちらかというと我が道を行く志ん朝師匠が公の席で『これからは、私が落語協会を引っ張って行く!』と取れる発言をされたのであった。

期待は一気に高まり、『あの朝様の発言は…』と落語協会全体が朝様に賭けるムードになっていた。


しかしせっかくの決意虚しく朝様の身体は、その時既に癌に冒されていた。


肝炎をもつ朝様は肝炎の悪化だと鍼灸に全てを託して、弟子の内儀さんに言われやむなく行った病院で『末期癌』と宣告された。


口の悪い人間は『三木助が志ん朝、小さんを連れて天国で落語会で一儲けか…』とも言われたが、朝様は本当にやる気だったのだ!


三木助の分まで落語界に尽くしてくれたかったのだ!本当に惜しい方を落語界は失った。