派遣の階段 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

派遣の階段

木曜日は、48件だった。

またみんなで『今日で127件』を持って写メを撮る。本部からは『48件は奇跡です。異例です。凄いです。』と言われた。

いよいよ最終日だった。
いつも通り、照合してくれる方々に『おはようございます。今日も宜しくお願いします。』と挨拶に行った。

いつも写メを撮ってくれる課長代理が『今日最終日ですねぇ~取らせてやりたいなぁ~久々ですよ!仕事でこんな熱くなったのは(^^ゞ照合は任せてください。バックアップしますから…照合に手間取って目標件数こなせなかった。なんて言われたくないし、先輩として頑張りますよ!一年生に達成感味合わせたいし、僕も味わいたいんで…宜しくお願いします。』

何気ない雰囲気の中、固唾を飲んで見守るのがわかる。

『48件だって、昨日本部から奇跡と言われたんだから…立派な功績だから~無理しないミスしないが前提だからね!』

しかし、そんな事で頷く輩ではない。
『全国の一年生の代表として、悔いない1日にします。』

1日中くるくるよく廻った。
件数を目指すあまり業務上の不備も不安だった。午後3時最後のお客様を見送った途端『ウォ~!』と声がした。

振り向くと『やったぁ~51件…いきましたよ!小林さん』
最後の1件は支店内の女の子だった。
家から印鑑を持って来てくれていた。

『今日で173件』と『やった51件』の2枚の写メを撮り、業務の終了を確認した。

一年生は、まだ本来業務が残っている。
『じゃあね!』と私は、一年生に別れを告げ、支店長達に挨拶を済ませ、行員通用口に向かった…その時だった。

『ハイル~ヒトラー』と言う大声と6人の敬礼に出くわした。

通用口に一列に並んだ一年生の敬礼姿と、研修報告書を手渡され私は静かに一年生に敬礼した。

『ハイル~ヒトラー』ってなんだったんだろう?
未だに彼らは教えてくれない。
しかし、この研修が翌年新入行員指導要項に含まれるとは、その時予想していなかった。