派遣の階段 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

派遣の階段

ATMコーナーにも店頭にもお客様は、疎らだった。
最初10分間は、いつも準備運動みたいなものだった。

説明しても苦笑いで立ち去るお客様…
ドアを開けて丁寧に送り出す。

自分のセールスを断られても派遣先のお客様には変わりない。

12~3分した頃から、お客様は動き出す。
きちんと応対していれば、無理強いされないと理解して耳を傾けてくれる。

15分程で手応えを感じる。
ここからは~一年生に接客させる。

次々と手を挙げて一年生に名指しで接客応対させて行く。

一日6時間で派遣スタッフは20件を目標に12件が平均だった。

私は1時間で6件~出来れば12件欲しい。

満面に笑みを浮かべ最速で簡単なセールスをして一年生に流す。

乗ってきた。

あちこちセールストークを振り撒き、『いらっしゃいませ』『ありがとうございました。』を適度にいれる。

2時45分『お願いします。もう事務処理が出来ません。』ふと見ると受付カウンターで、一年生が右往左往している。

受付カウンターに近寄り、書類を受け取り支店内の照合機で照合して貰う。

こちらも、かなり忙しい状態だった。
課長代理の方も応援で照合を手早く片付けてくれる。
3時にシャッターが下りて最後のお客様を送り出す。
上気した顔の一年生。

事務ミスのないのを確認してから、簡単な業務後研修をする。

実技前の研修と違い一年生は全員神妙な顔をしていた。

『それでは、明日も宜しくお願いします。皆さん、それぞれの持ち場に戻り通常業務を行ってください。ありがとうございました。』と挨拶をした時だった。

『朝は申し訳ありませんでした。』と斜に構えていた3名が頭を下げた。

『いいえ、明日から頑張ってくださいね。』と微笑んだ。

仕事が出来てしまう故に雑用に追いまくられていたのだろう。

全て終了した後本部へ連絡を入れた。

『本日支店初日研修終了しました。実務1時間で19件でした。』

関西人のトップの上司は『ほんまですか?お疲れ様でした。やる気ない感じだったと聞いて心配してました。すごい数字やなぁ~やる気出させたんですね!よかった、よかった…明日からまたお願いします。』

『はい~お疲れ様です。』
プレッシャーと闘いよく頑張った…誰かがやらなければ、一年生は多忙な銀行業務の中で、自分達の存在の有無が解らなくなりがちだった。
よく頑張ったo(^-^)o
私は帰りの電車の中で自画自賛した。