派遣の階段 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

派遣の階段

『無給ですか?』のツッコミに相手は『時給はもちろん今より上げますし、何より今の仕事ではなく本部の施策に関わって戴きたい。此処は貴女を見込んでのお願いです。』との答えだった。

私は今の仕事が大好きだった。
何より接客が好きたった。

次第に自分の元いた職場が荒んでいくのに堪えられなかった。


しかし疑惑をかけられてまで、お節介を焼く必要は無いと判断して辞めるつもりだったのだ。


それを『貴女を見込んで…』と言われたのでは、『合点承知!』と言う気持ちと『大丈夫かいな?』との疑心暗鬼の板挟みだった。


しかし、よほど忙しい人なのだろう。
後は『宜しくお願いしますm(._.)m我々に力を貸してください。』と深々と頭を下げて行ってしまった。


後に残された人達は『と、言う訳でして…』と多分鶴の一声だったのだろう。


『時給上げるとは言っていましたが、入って2ヶ月での昇給は前例がありませんので…』


マニュアル対応の典型的な方が答えた。

私は時給よりこれから私はなんの仕事をさせられるのか聞きたかったのだ。


『それについては改めて…取りあえず今の無給の一年生指導は無給で続けてください。詳しくはまたご連絡します。本日はお疲れ様でした。』

鳩が豆鉄砲喰らった私を含めた数人は解散した。


翌日健康サンダルに、会談内容を聞かれた。

『全て稟議の銀行の中で、貴女を残すとは、最高の決断だった。時給にしたって、これから彼は人事部に掛け合い、未だ前例のない2ヶ月昇給を認めさせるのでしょうねぇ…貴女には、くだらないかもしれないけれど、時給上げるとは稟議書書いて上司に掛け合い、人事に掛け合う~それだけ本部は貴女を必要と感じたのです。頑張ってください!銀行員魂をこれからも後進に伝えてください。』


健康サンダルは、まるで支店長のような威厳で言った。
いつもは、しもべのラーメンの小池さんはちょっと立派だった。