派遣の階段 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

派遣の階段

本部は、私のいた銀行の方ではなく、もう一つの統合した銀行であった。

やっと、方向音痴の私は辿り着き指定された4階へと着いたときにはへとへとだった。

自分のノルマに相方のノルマと一年生指導…見知らぬ本部に着いたときには帰還兵のような気持ちだった。

案内された部屋には3名の銀行員がいて、私を呼び出した人は間もなく来ると言う。


300名の派遣が辞める度に面会して労をねぎらうなら、そんな慣習は止めてほしい…と言いたかった。


私を呼び出した人は、大層大袈裟に『いやぁ話題の人にやっと会えた!』と握手まで求めてきた。

『話題の人?無給で働かせられるボランティアおばさんかい?』とツッコミたかったが堪えた。


『〇支店長から貴女を失うのは、我が銀行の大いなる損失と言われ、先日貴女の仕事振りを拝見しました。』と言う。

用があるならその拝見しに来たときに終わらせてほしかった。

『実に素晴らしい!銀行が忘れかけていたものを貴女は、きちんと持っている。』

持っているんじゃなくて、昔やって来たことしかできないのだ。


『セールスも素晴らしい!』
セールスは時給戴いていますから一生懸命研究している。
もちろん無給の一年生指導も必死だよ(心の声)

『指導力にも溢れている。』じゃあ時給払えよ!

と毎回心の中でツッコミながら、『早く帰りたいなぁ~』と念じていた。

それが通じたのか『此処で本題ですが、我々と力を合わせて働きませんか?』


思いもかけない発言に私は思わず『無給でですか?』と聞いてしまった。