可愛いかった息子 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

可愛いかった息子

我が家は二世帯住宅だった。

弟三木助が何年間前から猫を飼っていたのは、目黒に一人住まいしていた時、掃除に行って知った。


私も弟も猫恐怖症だったのに、友人が遊びに来る途中拾った子猫の一匹を置いていったらしい。

私の掃除の最中に子猫は、跳び回り私を脅かす。


あまりの恐怖に目黒の掃除は中止とした(やってくれそうな彼女もいた)

しかし、15年前猫と弟は立て替えた家にやって来た。

猫の名前は『小太郎』だった。
弟の前座名だった。

我が家で『小太郎』に近付けるのは、息子だけだった。
『なんで小太郎さんって名前にしたのだろう?』と息子が聞くので『オジの前座の時の名前だからじゃない』と私は話した。

すると息子は涙を流し、『じゃあ小太郎さんは小きんになって三木助継ぐの?』『ん?』『いつ小きんになるの?』

私は思わず『ナメ猫』を想像した。
学生服に鉢巻きで…

我が家の『小太郎』も紋付き袴で襲名披露??(゜Q。)??

『ならないよ!小太郎は名前だけオジの前座名使ってるけど昇進しない!』

3年後小学校の卒業式で一人づつ壇上に上がり、将来なりたいものを発表されながら卒業証書を頂く。
息子はもちろん『落語家になりたい』だった。


先日息子の同窓会があり、夢を叶えたのは『小林君だけだ!』と皆に言われた。

よかったね!猫に名前取られなくて… ね!