派遣の言い分(フィクション) | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

派遣の言い分(フィクション)

高尾銀行では1年間札勘(お札の勘定、縦に数えたり、横にパァーっと拡げ数えたり)や小切手の処理を行ってから窓口へ出る。

もちろんその間に新しい一年生が入ってくるので、その一年生を指導もする。

新しく入って来たのは、笠井秀樹というゴリラのような大学卒業者と可愛い女の子二人が私の指導対象だった。

弱い者に優しく、強い者には厳しくを信条の茂子は笠井をしょっちゅう、そろばんで叩いていた。

札勘が出来ないといっては叩き、受け渡しが遅いといっては叩いた。

大学卒業者は一年間で全ての銀行業務を覚えなければならないから、ボコボコそろばんで叩いた。

よもや30年後に派遣となって彼と巡り会う等と思いもせずに、銀行の年次制(先輩偉い)を利用して、ゴリラの飼育に勤しんだ。(いそしんだ)