派遣の言い分(あくまでもフィクションとして) | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

派遣の言い分(あくまでもフィクションとして)

面接と同時に派遣の仕事は決まった。
人の良さそうな派遣会社プラスルームの社員は親切で丁寧に仕事内容を説明してくれた。

茂子には派遣先である稲穂銀行が合併する前の高尾銀行に勤務経歴があった。


30年程前に退職したとはいえ、銀行勤務は派遣会社にとって有利だった。

面接の際プラスルームの宮崎さくらは『今、人が足りないので、2ヶ月だけ週5日勤務で4月から希望の週3日勤務にして貰えますか?』と茂子に尋ねた。

『2ヶ月だけなら構いません。』年齢制限を多少なりとも上回っているのだから、我が儘も言えないし…9時から15時半までの仕事だからキツクはないだろうと判断した。

今までアルバイトといえる内容で働いたのは、カラオケが出来たての頃の司会だったり、選挙の遊説だったりで銀行勤務は30年ぶりなので、少しワクワクしていた。

宮崎から早速集合研修の日程を聞き、本格的に派遣デビューが決まった。

それは2006年1月の出来事だった。