鬱病になった~治った~頑張った(3)
アウ゛アンティスタッフ社は全く私の勤務に改善を求めてくれる事はなかった。
成績を上げれば支店は喜び勤務もきつくなり休憩する暇も無い。
喫煙者の私は腹が減るのは我慢できるが喉が渇き、タバコを一服したいところだ。
しかし持ち場を離れられない。
アウ゛アンティスタッフ社のH部長は
『何か起きたら、責任は銀行に取らせればよい』
と無責任な事を言う。
銀行の取るべき責任は個人の財産を預かるという、また個人の情報を預かるという社会的的責任が付随することを理解せず、図書館の本でも貸し出すように人を扱っていた。
休憩は1本のお茶と2本のタバコだけしか休めない。
(これは労働基準法34条違反、これに対し違反した場合6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)
しかし、この労働基準法はあるだけで守らなくても成敗されない法律だった。
アウ゛アンティスタッフ社はそれをよいことにタイムシートの休憩0に対して堂々とH部長の印鑑を押していた。
派遣会社の違反に労働局は
『大手になればなる程派遣法を守らない。』
と嘆く。
何故なら派遣会社に業務停止命令を出すとスタッフ全員休業となるからだそうだ。
やれるもんならやってみろ!という姿勢らしい。
指導しか出来ない現実。
そんなハード業務のうちに翌年の新入行員指導要項に私の業務だったカードセールスを使った接客研修が加わった。
人事部も何故そんな大胆な事をしたのかは知らないが何千人と入る新入行員に指導者一人と間抜けな形だ。
にわかに本部は私に、スーパープレイヤーに新入行員指導の仕方を指導しろ!という指揮命令を発動した。
人を育てるというのは、付け焼き刃で出来ることではない。
ほとんどの支店長が私の後輩となり、銀行業務の何たるかを知り、銀行へ入るまでの親の苦労を察して始めて心を通わせる。
職務が高度になれば勘違いスタッフも出て来る。
それから、半年である人の時給水増し請求疑惑が浮上する。
時給水増しは業務上横領である。
銀行からやたらめったら、派遣会社に話せる事ではない。
そこで伊八こと蝮の登場だ。
これは誰だか前から読まないとわからない(゜ω゜?)
一ヶ月周りから情報を仕入れアウ゛アンティスタッフ社の担当に
『内々に』
と話したが、勘がよければ私の言わんとしている事がわかった筈だった。
私が言う 『内々』 は派遣会社内での処理だ。
彼女が水増し請求して、いくら多く貰おうが私が払ったお金ではない。
他のスタッフに知られなければ是正してもらえれば、よいことだった。
銀行側にもめくら判を押した責任もある。
しかし担当者は勘の鋭い人ではなかったのだ。