:血の系譜 (子供達)
水戸からの帰りのスーパー日立のグリーン車で仕事も終え、
計画も話し終えた三木助は私から離れた席で気持ち良さそうに眠っている。
暗くなった外の景色を見ながら私は子供達の事を考えた。
三木男は当時小学校の5年生で三木助の入院等で疲れ果てて帰ると
必ずコーヒー好きの私にコーヒーを入れ足の裏のマッサージを30分してくれた.。
(今は私がコーヒーを入れ肩を揉む。
三木男は小学校4年生ぐらいから
『僕達はお母さんいなくても生きていけるかもしれないがオジ(三木助をそう呼んでいた)は無理だね!
だってオジはお母さんをスーパーマンだと思ってるもん。
そのうち空を飛べって言うかもしれないね。
だけどダメだよ!飛べないからね』
と言っていた。
私はスーパー日立の車窓を見つめ、そんな子供達と別れずに済んだ
事をよかった!と思った。
上野で寝ぼけまなこの三木助を連れ、家族の待つ我が家に私達は戻った。