友達は手をつながないでしょ

友達は手をつながないでしょ

「友達は手をつながないでしょ、、、」

この言葉で物語はスタートします。

20年前と現在。

同じ言葉で別れていく二人。

ほぼノンフィクションの実話小説

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入学式から二ヶ月、シゲは部活に明け暮れた。

毎日遅くまで続くサッカーの練習、先輩選手との人間関係、、

中学校時は自分たちが一期生だったシゲ達には先輩がいなかったので他校から来た同級生と比べると明らかに先輩の扱いが乏しかった。

しかし癒しもあった。
三年生のマネージャーの三人の先輩。

彼女たちはシゲ達一年生にとっては女神に見えた。
15歳と18歳、たった三年の差がとっても彼女たちを大人に見せた。


「シゲ君。」

部活を終え、エナメルバッグを肩にかけ錆が目立つ自転車置き場にいたシゲに誰かが声をかけた。

そこにいたのは麻紀だった。

入学式後の自己紹介の通り麻紀は文芸部に入っていた。

サッカー部のシゲとの共通点はもちろん無くほとんど会話らしい会話を交わした事がなかった麻紀から声をかけられシゲは少し驚いた。

「あのね、私のチャリオットがシゲ君の自転車の奥になってて、、、」

ん?チャリオット?

シゲはなかなか理解出来なかったがなんとなくチャリという言葉から理解した。

「チャリオット?」

理解しながらもシゲは麻紀に聞いた。

「あっ、ごめん自転車の事。
私なんでも名前つける癖があってね、、、
チャリオットはchariot。
タロット占いの戦車のカードなの。」

「ふーん、、、」

自分にはない文芸部的な感覚に戸惑いながらシゲはそう言葉を返した。

「うん。じゃあね。」

麻紀はそういうとフレームが青いリムが黒いプラスチックのchariotにまたがり校門を出て行った。

to be

1992.8.3