今回は、私の大好きな作家、原田マハの「生きるぼくら」を読み終えての報告です。

 


生きるぼくら表紙
 

 

本作は2012年に徳間書店から刊行され、現在、文庫本もでています。

 

 

 

あらすじは、いじめを受け、長く引きこもりになっていた主人公麻生人生。彼があるきっかけから、4年ぶりに外で出て、蓼科で一人暮らしをする祖母、中村真麻のところを訪ね、物語が展開する。同じ頃に祖母のところを訪れていた対人恐怖症の中村つぼみ。祖母、真麻が昔から実践している自然に任せる米つくりを軸に話が進んでいきます。

 

家族や周りの人とのふれあい、日本人の主食である美味しいお米を産み出す愛情こめた稲作、そして誰かのために一生懸命に生きる喜びなど、原田マハらしい心温まる、また、元気が出る感動作です。

 

いつもながら、涙もろく単純で素直な?私は、感動で当然ながら涙、涙でありました。

 

 

 

作品の中に、キュレーターでもあった原田マハらしく、東山魁夷の「緑響く」の創作場所である蓼科高原にある御射鹿池を重要な場所として登場させて、東山魁夷の絵のことにも触れています。

 

 

 

少しずれますが、この本を読んで、克明に描かれている稲作に少なからず、興味が持てましたし、何より、美味しいお米が食べたい気分になりましたね。

 

 

 

最後に、人間の思いやる気持ち、ぬくもり、やさしさ、愛情が満ち溢れる原田マハの作品、いつも私の琴線に触れてくるせいか、いつ読んでも素敵な作品を書く方だなあと思ってしまう私でした。