今回は、人生初の歌舞伎観劇の報告です。



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観劇の場所は、3年前、新しく建て直された5代目の歌舞伎座です。



歌舞伎座

 

上司のつて(市川中車=香川照之のマネージャーが知り合い)があった

ので、歌舞伎座の1等席、2階の正面最前列で見ることになりました。


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一度は歌舞伎を生で見たいと思っていましたので、よい機会になりました。

七月大歌舞伎の夜の部で、演目は

・江戸絵両国八景

荒川の佐吉   

・壽三升景清

歌舞伎十八番の内 鎌髭           

・壽三升景清

歌舞伎十八番の内 景清


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4時30分スタートで4時間強、ちょっと長めですが、結構楽しめました。

全編、主役は市川宗家成田屋の市川海老蔵で、奥様のこともある中、そのようなことは微塵もみせず、熱演を見せてくれました。

 

一幕目の「荒川佐吉」は、世話物というのでしょうか。普通の演劇と同じような人情もので、わかりやすく、ゆっくりと楽しめたという感じです。

二幕目の歌舞伎十八番の内「鎌髭」、「景清」は歌舞伎らしい演目で、歴史ある伝統芸能の良さを十分に味わえました。

また、最近は美術館鑑賞の時は音声ガイドが役に立っていることもあり、歌舞伎でも用意されている音声ガイドを借りましたが、タイミング良い解説があり、歌舞伎の特殊なことも理解しながら、楽しむことができてよかったです。


さて、初めての鑑賞で感じたことをいくつか挙げてみますね。

・とくに印象に残ったのはやはり皆さんご承知の要所、要所で行われる見得を切る場面です。効果的に見せるために首を大きく振ったり、足を大きく踏み出したり、を広げたりの動作があり、あわせて、木を板に打ちつける効果音の「ツケ」も打たれた後、見得を切って静止しますが、なかなかの見ものですし、盛り上がります。

最後の幕切れの大見得を切るところなどとても盛り上がるし、感動しますね。

次の写真は、最後の海老蔵の大見得です。背景に蝦を配置するところはサービスですね。



歌舞伎蝦

 

・それから、衣装が鮮やかであり、煌びやかで見ごたえがありますね。やはり、観客を楽しませるショーなのだとつくづく感じました。

・女形の人たちの所作が女性以上に女性らしい(失礼だと思われた方には謝ります)ですし、体形まで女性らしいので驚きましたが、日ごろから訓練というか、研究しているのでしょうね。

・歌舞伎十八番のような200年前からの演目でも、滑稽な登場人物がコメディーチックに演じたり、旬の話題を織り込んだり、津軽三味線とコラボしたり、柔軟であり、また、常に観客を楽しませようとする姿勢が見られたことです。文化は伝統と新しい試みの融合でより深まるのでしょうか。

 

さて、市川中車(香川照之)さんですが、「荒川佐吉」では重要な役どころをさすがに上手に演じていましたが、やはり、歌舞伎をやってきた人ではないので、後半は出演がありません。しかし、そのおかげで休憩時間に楽屋まで行くことができて、香川照之さんには握手と写真撮影までしてもらえました。

香川照之さんは、テレビの役柄とは違い、腰が低く、優しい口ぶりでとても素敵な方でした。(下の写真の通り、意外と小柄な方でした。)


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最後に、せっかくの機会でしたので歌舞伎に関して、少し調べたことを書きますね。

まず、歌舞伎の誕生は、出雲の巫女が京に上り変わった風体の男の扮装をして踊った(かぶき踊り)こととされます。そして、この女性が私たちの知る「出雲の阿国」だそうです。

一方、「変わった風体の男」とは、奇抜な服装をして。世間の秩序に反して行動する「かぶきもの」と呼ばれた人をさすそうです。

すなわち、「かぶきもの」と呼ばれた織田信長、前田利家、前田慶次郎、伊達政宗などの振る舞いが元となっているともいえますね。

もう一つ、市川海老蔵が「成田屋」、市川中車が「澤瀉屋(おもだかや)」その他「中村屋」、「成駒屋」等々屋号があります。これは、1708年、非人扱いだった役者が良民と認められた結果、表通りに住居を構えることができるようになりました。その際、実家の生業の店を出したり、副業のための店を出すこととなり、その屋号を呼ぶようになったそうです。調べたら、100くらいあるようでびっくりしますね。

 

以上、初めて見た歌舞伎の感想でした。つまらなくて、居眠りしないかと心配しましたが意外と興味深くまた、面白く本当に楽しく見ることができました。皆さんも、ぜひ、機会を設けて見に行ってください。決して、損はしないと思いますよ。