【恋しぐれ】
作詞 天野音彦
作曲 円 広志
1988年
アルバム「歌手」の中に収録。
このアルバムはカセットテープで購入しました。
名古屋の名鉄百貨店で…

実は、じつは
話せば長くなりますが、
僕の御先祖様のお墓が
福岡県北九州市小倉にありまして
お墓参りに帰る手段が
まず、大阪より近鉄特急で名古屋に
そこで街をブラブラと夜10時くらいまで時間をつぶし
JR名古屋より
今は無き寝台特急「あさかぜ」下関行きに乗って終点まで
そこでまた時間をつぶし
各駅停車に乗って、関門トンネルをくぐり抜け小倉へ
何故、名古屋まで…?
「あさかぜ」は深夜は大阪には停車しなくて
名古屋を出ると、次に停車するのは早朝の広島あたり…
ですので…

大阪から新幹線で行けば速いものの
しかし僕はせっかく行くのだから
到着するまでも楽しみたいという気持ちです。
寝台特急「あさかぜ」
ひとつの大きな窓に対して
向かい合わせの2階建てベッド
僕はいつも下段をチョイス
(上段は楽しめないんです)
何と言っても僕のこだわりは
ベッドに横になりながら
真っ暗な車窓の外の景色を眺め
ウォークマンで前川さんの歌声を…
不思議なもので、曲を聴きながら真っ暗の窓の外を見てると
気持ちで情景が浮かんで来るもので…
アルバム「歌手」のテープは
今までこの日の楽しみのために買わず
ここで初めて聴く事に
名古屋から寝台特急が出発し、空模様がすっきりしない夜
ワクワクの気持ちを抱きながら
カセットを開けウォークマンにセットし、playを…
普通の乗客でしたら、たぶん
同じワクワクでも
駅弁を開けて食べるのが当たり前の行動かも…
そして
イントロダクション…
後にシングルになった「愛がほしい」から始まり
枕を抱きながら暗い外を…
その中に見えるボツンポツンと遠い灯り
「
窓灯のひとつひとつに…」歌詞がまた合いますね…
すると
その窓に斜めに流れてくる雫
「やっぱり雨か………」
次の曲が
「恋しぐれ」
しかし
あまりの状況に似合い過ぎる曲でした
「
外は雨~恋しぐれ…」ひとり
世界に浸りながら眠ることもせずに
曲も何度も何度もの繰り返し…
カチャンッ!とリターンする音を周りに気遣いながら…
で…
いつの間にか
瀬戸内を照らす朝焼け
朝の山陽へ…
尾道あたりは綺麗すぎて
また違った感じで聴く事の出来る
前川さんの歌声…
やがて
フィナーレの下関に到着
そして
関門トンネルを前に
小倉の街を前に
ここで
ひとまず休憩。
すでに空は大きな青に…
「恋しぐれ」を聴いた
雨の窓も夢のようで…
もう聴ける事のない
独り占めで聴く
深夜を駆けた
年に一度だけの
前川清コンサートでした。
