大人からすると、


「そんなことで、くよくよするなよ」


と、声をかけたくなるほど、ちょっとしたことで、人生の終わりのように落ち込んだり、悩んだりして辛い気持ちになってしまう子供たちがいます。



しつこく繰り返し質問したり、不安な未来を勝手に想像してパニックになったりするような子ですね。



辛そうなので、何に悩んでいるのかを聞くと、

そんなことで?と、思うことがたくさんあります。


例えば、

●消しゴムで、強く擦りすぎて紙を少し破ってしまった。叱られるかもしれないと思う。


●今日時間通りにお母さんが帰って来なかったら、そのあとの習い事に遅れてしまうと感じる。


●ふざけて弟を叩いてしまったら、その場に防犯カメラがあった。逮捕されると思う。


これらは、私が担任をしていて、本当に泣いたり、パニックになったりしていた実例です。


私も、

「そんなことで、パニックにならなくても、、」

と思いました。



でも、本人からすれば、心から不安ですし、辛いですよね。



そのような状態のとき、私がやっている流れなのですが、


まず、不安な気持ちを楽にさせるように促します。


話を聞いてもらいやすいように、


「あなたの不安(パニック)をとってあげるから、まずは話をきけるように、落ち着こう」


「まず深呼吸してみて」


「話が聞けるようになったら、教えて」


など、落ち着かせるようにします。



話が聞けるような状況になったら、その悩みは、心配するような大した悩みではないことを教えてあげるようにしています。


そのときに、効果的なのは、

『他者との比較』です。


周りの人は、その悩みを経験していて、そこまで気にしていないことに気付かせてあげるようにします。


「その悩みは、みんなそんなに気にしないようなことなんだよ」


「誰でも一回はそれをやったことあるよ。でも、みんなニコニコしてるでしよ?大したことないよ」


と、伝えてあげてください。


それでも、腑に落ちなかったら、

「お母さん(お父さん)なんか、もっと◯◯なことがあっても、何もなかったよ。それに比べまたら、悩む必要ないんじゃない?」


と、大人の失敗体験を話してあげると、身近な人の体験なので、自分の不安と比べやすくなります。



最後には、必ず、

「そんなに不安になることないんじゃない?」


「パニックになると、あなたが辛くなるから、不安になってきたら、落ち着いて、相談しにおいで」

と、次につながる言葉かけをされることをお勧めします。



①落ち着かせて、話を聞く


②その悩みは、大したことではないことに気付かせる


③不安になってきたら、パニックになる前に相談することを意識させる



このプロセスで、だいたいの子が落ち着きます。



もちろん、一度は落ち着くかもしれませんが、また不安が強くなる場合もあります。


そのときは、

「さっきも落ち着いたということは、あなたは、大した問題ではないと思ったんだよ」

「だから、大丈夫だよ」


と、教えてあげてください。


大人からすれば理解できないかもしれませんが、気にする子は気にします。


突き放すのではなく、腑に落ちる形で、相談に乗ってあげてください。