お子様が家に帰ってきて、
「今日〇〇さんが、押したり、叩いたりしてきた」
と、言ってきてたときに、どんな言葉をかけてあげますか?
もちろん、そのときの状況などを聞いてあげるとは思うのですが、話の内容が分かってきたあたりで、
「嫌だったら、やめて!って言ったの?」
と、質問をされることもあるかと思います。
相手に嫌だった自分の気持ちを伝える。
このことは、私自身とても大切だと思います。
相手にも自分の気持ちを知ってもらって、次はトラブルが起きないようにしてもらいたいですし、自分の気持ちを表現する事で、自分の消化しきれないイライラを軽減することができると思います。
しかし、問題なのは、
『それをすべての子供たちが言えるのか』
『言ってしまったら、状況が悪化しないか』
ということです。
なんとなくイメージできますよね。
性格的なもの、特性からくるもの、いろいろな要因から、そんなこと言えない子がたくさんいます。
そんな子たちが、日々の生活の中で、
トラブルに巻き込まれたり、やらなくてもよいことでトラブルを起こしたりして、嫌な体験を積み重ねています。
このような状況をたくさん見てきて、
私は子供たちに、「やめて!」と言えるようになるというよりも、
『居心地が悪くなったら、離れる』
ことを意識して練習するようにしています。
つまり、何か嫌なことの始まりがあったら、その瞬間にその場から離れて(逃げて)、安心できる人のところに行けたかどうかが大切だと思っています。
逃げたっていいし、むしろ逃げて、安心できる人に助けを求めた方が、解決につながります。
自分が弱い立場のときに自己表現ができなくても、その場から離れることはできます。
もし、お子様がお家に帰ってきて、
「今日〇〇さんから嫌な事をされた」
と、訴えがあったら、状況をよく聞いてあげることとともに、
「嫌だったら、その場から逃げてもいいんだよ」
「安心できる人のところに、逃げるんだよ」
「絶対助けてもらえるから」
と、伝えてあげてください。
その場から離れる練習をご家庭で行うのは難しいと思うので、
担任の先生と相談して、
◯本人の顔の表情
◯周りの雰囲気
◯トラブルを起こしそうな雰囲気
◯言葉の変化
などがあったら、その場から離れるような言葉をかけてもらえるところから始めるとよいかなと思います。
これからは、
子供たちにもよるとは思うのですが、
『立ち向かう』よりも、
『危険を察知する』
『逃避する』
こういった力をつけていけるようにすることを意識されるとよいと思います。
察知する力は、感覚が敏感な、支援学級の子供たちの方が長けていることが多いです。
気付いていない、もしくは、動いていないだけで、察知能力は高いと思いますので、ぜひ気付かせてあげてください。