以前、保護者の方との面談で、


「ある方から聞いたのですが、発達障害は、高学年ぐらいになったら落ち着くと聞いたのですが本当ですか?」


といった質問がありました。


確かに、落ち着かない子やパニックになってしまう子、攻撃的になってしまってしまう子が、小学校の高学年ぐらいになっていくと少しずつ落ち着いて見えるようになるかもしれません。


よく、

「低学年のときは大変だったけど、高学年になって落ち着いてよかったね。」

など、話を聞くことがあります。


しかし、私自身の経験からの考えなのですが、

この『落ち着いた』理由をしっかりと分かっていないと、今後お子様が、社会に参加できなくなったり、家から出られなくなったりする危険があると考えます。



そもそも、発達障害は、風邪のように治るものではありません。


落ち着くには何かしらの原因があり、その原因によっては、しっかりと支援をしていく必要があります。


その原因として考えられるのが、


『自分の中で工夫して、落ち着くように意識しているのか』



『自然と我慢ができるようになってしまったのか』


の違いです。


前者の方は、

自分の性格や特性を理解して、周りの人たちとうまく関わるために、様々な工夫を重ねて、自分なりの対策が見つかっている状態です。


後者の方は、

自分はとても辛いのに、それをどうしたらよいか分からない状態で、その辛さを我慢し続けることが慣れてしまった状態です。


もちろん、前者の方が、正しい落ち着き方をしているのが分かりますね。


同じように『落ち着いている』状態でも、本人の気持ちは全く異なることを考えていることになります。



後者の方を落ち着いているから安心と思っていると、今後『自分というもの』が分かってきたら、我慢しなければならないところに行きたいとは思いません。


発達障害の子が中学校に行って、不登校が多くなるのはこのことが原因かもしれません。



「イライラしないようにするために、何か気をつけているの?」

「パニックになりそうなとき、どうしてるの?」


これに答えられない、反応がない、場合は我慢している可能性が高いです。



まずは、

我慢するのではなく、うまくその場を気分よく過ごせるような、方法や工夫を試してみることから始めてください。


その一つ一つの成功体験が、確実に成長につながります。


子供たちが、手段や工夫によって、気持ちよく社会と関わっていけるようになっていって欲しいなと思います。