「友達だからみんなとなかよくね」

この言葉を伝えたことがありますよね。


保護者の方の中で、ない方が少ないと思います。



学校現場でも、低学年では特にそうですが、トラブルになったとき、なりそうなときに伝えることが多いかもしれません。



ただ、この言葉が色濃く残っていることで、友達関係が崩れてしまったり、特に支援が必要な子であれば、距離感が掴めなくなったりして、辛い思いをしてしまう子がいます。



確かに、同じクラスで生活するわけですから、友達とは仲良くすることは、気持ちよく生活する上でとても大切です。


ただ、全員と親友のような距離感で仲良くすることは現実的に難しいですし、友達の中には、


『どうしても、合わない子』もいるはずです。


そのことを子供たちにきちんと理解させてあげないと、


●自分は親友だと思っていたのに、遊んでもらえなくて、ショックを受けてしまう


●少しやんちゃな子たちの中で、笑い物にされたり、いじられたりするのに気付かずに、みんなが笑ってくれるからとついて行ってしまう


●危ない友達関係から抜け出せなくなる


●何か意見が合わないだけで、嫌われたと思ってしまう


●物理的な距離感が掴めず、相手に不快感を与える


●何気ない一言でも、悪口に捉えてしまう


などといった、勘違いからのトラブルが起こることがあります。


何かトラブルになったときに、原因を聞くと、『仲良しだと思ってたのに』といったニュアンスで答えてくることがあります。


友達の方は正直なところ、そこまで仲がよいと思っていなかったことが多いです。


一度そのようなことがあると、友達の方は少し距離を置いてしまうことが多く、関係を修復するのが難しい場合もあります。



ですから、

『みんな友達だから仲良く』ではなく、


友達は友達でも、


『一緒にいて楽しかったり、安心できたりする友達』


『気持ちよく一緒に生活する友達』


この2つの友達を分けて考えられるように伝えられたらと思います。



もちろん、線引きのようなことをすることは難しいですが、


トラブルになったとき、

距離を置いて、自分と相手を守りながら生活するためには、

『気持ちよく一緒に生活する友達』の考え方を教えてあげたほうがよいと思います。



◯気の合う子

◯一緒にいて嬉しい子

◯一緒にいて安心できる子

◯遊んで楽しい子

◯距離を置きたい子

◯いつもトラブルになってしまう子

◯いつも一緒になって周りに迷惑をかけてしまう子


など、よくも悪くも、クラスにはいろいろな友達がいます。


その中で、気持ちよく生活するための支援として、


『全員と同じぐらい仲良しなんて、難しいよ』

と、はっきり教えてあげられると、救われる子供たちがいると思います。


言ってしまいがちになりますが、

「みんな仲良し」

の感覚を再度考えるとよいかと思います。