抑止力についてどのように思われますか?


お子様にとって、抑止力の存在があるのとないのとでは生活が大きく変わってくると思います。


抑止力がないと、対人関係がうまくいかない子や好き勝手になってしまう子、自分では制御できないぐらいテンションを上げてしまう子など、生活に支障が出てしまう場合があります。



反対に抑止力が効き過ぎてしまって、何事にもビクビクして、自分のことを表現できない子もいるかもしれません。



実際に学校(特別支援学級)現場では、抑止力を使わなくても、落ち着いて学習や生活に取り組める子もいますが、多少の抑止力がないといけないなと感じる子もいると思います。


抑止力がないと、本当に自分のことが制御できなくなって、暴れたり、色々なことに反抗したりすることも少なくありません。



ただ、問題なのは、人によって抑止力の度合いが様々であることです。


例えば、

●A先生の前では大人しいけど、B先生の指示は聞こうとしない。


●お母さんには、反抗してくるけど、お父さんには決してやらない。


など、おそらくどの子にも多少人によって抑止力も変わってくるとは思うのですが、この人じゃないと抑えきれない状況になってしまうと、少し面倒になりますよね。



少しでも、自分自身が子供たちにとって抑止力になる存在になれるのか、そして、それ以外にも抑止力につながる支援はあるのか、お話しさせていただきます。



【抑止力になる存在になるためには】

ここで、勘違いをしてもらいたくないのは、厳しくしたり、大きな声や態度で威圧したりすればよいと感じてしまう方がいますが、それはただの恐怖で支配している状態ですので、抑止力にはなりますが、子供たちが萎縮していて、よい状態とは言えません。どこかで歪みが生まれて、状況が深刻になっていきます。



私が思う、抑止力につながるための方法は、

『子供たちの試し行動に気付く』

これが大切だと思います。


大人はこれぐらいやったらどのような反応をするか、必ず子供たちは大人を試してきます。


それに気付かなかったり、気付いてもこのぐらいいいかと流したりすると、抑止力がなくなってしまいます。


そのとには、叱ったり、大きな声をだす必要はありません。


子供たちがいつもはやらないこと、少しならいいだろうと思うことをしてきたら、

一言

『それ、気付いてるからね。』

『考えた方がいいよ。』

と言葉をかけて、軌道修正してあげてください。


これが、抑止力につながります。


抑止力のゴールは

『この人は、隙がない』と、思わせることです。


子供たちの様子を見ていると、試してきているのに気が付きますので、ぜひ言葉をかけてください。



【抑止力につながる支援】

これは、子供たち本人にとって損する状況をあえて提示することです。


よくある例では、

◎宿題が終わらなと、遊びに行けないよ」と、言葉をかける。


これは、よくある例ですが、宿題をしないと自分にとって損な状況が待っているから、他にもやりたいことを抑えて、宿題をする流れにもっていくやり方だと考えています。



以前もお話ししましたが、損得感情に訴えかける言葉かけは、立派な支援の一つです。


特に支援学級の中には、自分にとって損なことをやりたくないと、強く思う子も少なくありません。



人が抑止力にならなかったら、本人の好きなこと、嫌いなことを抑止力にして、条件をだしてあげるのも大切なのではないかと思っています。




自分の気持ちをコントロールすることは難しいと思います。

ですが、社会で生活する中で自分を律する何かがあると日常生活が少し楽になるのではないかと思っています。



「今、〇〇さんの言うことしか聞かない」


「抑止力がないから、何もやる気がおきない」


など、悩んでいる方は、参考になさってください。