場面緘黙までとはいかなくても、声が小さくて生活上困ってしまうことが多くなる子供たちがいます。


その子なりに反応はしているのですが、声が小さいあまり、

●反応がないと思われる。

●聞いているのかいないのかがはっきりと分からずに、「聞いてるの?」と注意されることが多くなる。

●友達との関わりでも、自分の意見が伝わりにくくなって、気持ちや考えが流されやすい。

●発言の場で、正解していても、褒められにくい。


など、結構生活の中で困った状況になることが多いです。



どうして声が小さくなってしまうのか、その原因は人それぞれ様々だと思います。

◯小さいときから、声を張ることが苦手

◯身体的なもので、大きな声が出せない

◯自信がない

◯失敗体験から

◯恥ずかしい

◯場面緘黙

などが考えられます。

また、色々な原因が複雑に混じり合って、声が小さくなることも考えられます。



原因が分かっていれば、それに合わせた支援が必要になってきます。

ただ、もし原因が分からなくても、色々と試してみることが大切だと思いますので、困っている方は試してみてください。



【身体的に声が出せない】

身体的な理由から大きな声が出せないことがあります。色々な発声に関するトレーニングがありますので、お医者さんにお聞きするとよいかと思います。


また、学校に特別支援教室の聞こえと言葉に関する教室や特別支援学級の言語障害の学級がある場合は、そこにいらっしゃる先生にご相談されてもよいかもしれません。



【大きな声を出すのが苦手】

そもそも大きな声を出すことが苦手で、あまり大きな声を出したことがない子もいるかもしれませんね。


その場合は、自分の声がどれぐらい出せるのか、自分の声のレベルを表などで視覚化するとよいかと思います。

よく学校では、『声のものさし』といった表が使われることがあります。

レベル1→隣の人に聞こえる声

レベル2→教室のみんなに聞こえる声

レベル3→外で離れている人に聞こえる声

みたいな感じですね。


そこまで細かく分ける必要はないかと思いますが、お子様と一緒に声を出して確認してから表を作ることをお勧めします。


そのときに、1番大切なのは、大人の基準ではなくて、お子様の出せる声量で作ることが大切です。基準はあくまで子供ですので、もしかしたら、1番大きな声が、隣の人に聞こえる声かもしれません。初めはそれでも構いませんので、無理のないようにしてください。

徐々に作り替えていかれるとよいと思います。



【自信がもてない】

自信をもたせるためには、やはり成功体験が1番大切です。


「授業中に発言をして間違えてたらどうしよう」

「急に当てられたら答えられないかもしれない」

「失敗したら周りに笑われるかも」


など、表現することに苦手意識がある子供たちは、悪いイメージが浮かんでしまうことが多いです。


ですので、家庭学習でできたことを大いに褒めて、「できた」を少しずつ増やしていくことをお勧めします。


また、学校でも成功体験を増やしていくために、復習だけではなく、予習をして分かっている状態が続くと、少しずつ表現できる機会が増えていきます。

学校での成功体験は、大きなパワーをもっていますので、ぜひ予習をされるのもお勧めします。




何も支援をせず、小学校の高学年以上になってしまうと、なかなか大きな声を出すことが難しくなってくる傾向にあると思います。


できれば低学年の内から支援をされると、改善されやすいかなと思います。



なかなか声を出すことが難しい子は多いです。

無理をせず、焦らず、その子に合わせた声を出すトレーニングをしていけたらと思います。