事例⑤

2年生のEさん


通常学級の2年生の担任をしているときに受けもったEさんについての事例を紹介します。


私が2年になるときの引き継ぎで、1年生の時の担任をしていた先生が、「ぜひ、特別支援教室につなげたい」と話していました。

理由としては、授業中席につけず、立ち歩きをしてしまう。友達との関わりでは、自分に納得のいかない所があると手が出てしまってトラブルになる。先生の指示を聞き入れられない

といったことからでした。


特別支援教室(通級指導学級とも言われ、主に発達障害や発達障害傾向のある子供たちが、週に数回学校内にある別の教室で、集団生活や学習に適したスキルを身に付けるための教室)


自分の目で見て保護者の方と相談したいと思い、1学期は様子を見ていました。


確かに、落ち着きがなかったり、友達にちょっかいをだしたりして、周りの友達から少し浮いている様子でした。


しかし、コミュニケーションや落ち着くためのスキルが欠けているかというと、そういうわけではありませんでした。


勘違いされている方もいるかもしれませんが、特別支援教室は、あくまで週に1.2時間程度のサポートであって、実践の場はいつもの教室です。

その教室で、失敗することもありますが、周りの友達のサポートがあってり、担任が教えて解決したりする経験を重ねていく方が大切だと私は思っています。


ですから、Eさんはトラブルを起こしやすいですが、スキルを知らない人ではなかったということ、集団生活を上手くできるタイプではないけど、大人や集団の環境の変化で、態度や言葉を使い分けることができること、指示の内容を理解して学習することができることなどの判断から特別支援教室へ入室しなくても、学級での配慮でできると思いました。


小さなトラブルは日常茶飯でしたが、担任の言葉かけで、気を付けようとしたり、その様子を他の子供たちも見ていて、協力してくれようとしたりと、良い方向に進んで行ったと思います。


私は、Eさんを取り巻く環境があまり協力的ではなかったり、今後、学年が上がるにつれて、さらに落ち着かなくなって、自分自身で制御できなくなるかもしれません。

その時は入室を視野に入れていくべきだと思います。


子供は担任が変わったり、クラスの友達が変わったり、学年が一つ上がったという変化で落ち着く場合や反対に落ち着かなくなる場合があります。



これらのことから、特別支援教室にいくかどうかの判断(私の意見)は、日々の授業が遅れても集団生活のスキルアップが必要かどうかだと思います。



周りから見て、「やめなさい」と言われる衝動が抑えられないから、スキルを身に付けたい。

じっと席に座っていられずに、勉強が進まないからまずはじっと席に座っていられるようなスキルを身に付けたい。

学習をするのに、なんらかの障害が生じてしまい、学習が進まないからスキルを身に付けたい。


簡単に言えばそんな感じと考えてよいかと思います。



もちろん、障害の診断を出す医療の意見を参考にするのも大切です。



発達障害は、上手くいけば、集団生活に適応するように成長をすることができます。


そのタイミングや方法はそれぞれですが、学校と保護者の方が協力をすることが、早く困ってることから抜け出すことだと思います。


通常学級でトラブルが多くなる。

このことは、とても多い事例だと思います。

特別支援教室へ行った方がメリットになるのか、もし、学級での支援で生活した方がメリットになるのか、しっかりと担任の先生やカウンセラーさん、教育相談の専門の方々と話し合いを重ねていくとよいですね。