とうとう最後の日。
9月11日に復活して、一カ月。
この短い期間にあったこと、貰ったメール、
そして交した会話…何もかもが真実で本当の
ことなんだけれど、私には実感がまるでない。
そう、私が私でないからだと思う。
どこかに捨ててきた本当の私は今もどこにも
いないような気がして。
元彼に抱かれても戻らなかった私という人間。
経理事務の人と過ごした楽しい時間も、
係長と過ごした一年間という時間も、
どこか全てが私という人と違う人間のストーリー
なような気がする。
物語の主人公を演じる私に似ている誰かを
「私」が見ている。そんな感じなのかもしれない。
ある女のストーリーは純粋で不純。
自己中心的で、非人道。「私」が世界の中心で、
その他の人間を思いやる気持ちに欠落している。
そんな女の話もやっと終わりなんだと
私は少し安堵している。
終わりは悲しいのではなくて、私が真っ当なな道へ戻る
為誰かが用意してくれた次のストーリー。
そのシナリオはまだ白紙だけれど、私は脚本を
どうにでも書き変えれるから。
ある女のストーリーはこれからも続く。
ひとつのストーリーが終わっても何も私は変わらない。