「今の君の気持ちは?」


「ん?」


缶チューハイを片手に彼女が僕のところ


にやってきた。


「悲しんでると思う?それとも案外平気に見える?」


「正直どっちか分からないんだよね」


「実はね、私もよく分からないんだ」


そう言うと彼女はごくごくと缶の中の液体


を喉に流し込んだ。


「係長のことは好きなのね、でも地元に戻れる

ことは彼にとっていいことだし、好きな人の

幸せは願って祝ってあげないと…そう思うのね」


「へぇ…大人だね」


「うーん…どうかな(笑)」


「5月に振られて、こうして元に戻ったことは

よかったと思うのね。だって振られて距離が

あるままのさようならは悲しすぎるし…」


「どうかな?君にとっては振られたままの方が

よかったんじゃないかな?」


「そういう見方もできるよね」


そんな話をしながら、彼女は饒舌に色んな事を


話してくれた。その話はまた今度しようか。