かねてから、お話をお聞きしたいと思っていた『坂本菊』。
ご縁をいただき、11月5日(土)、生産者の渡邉さんの畑に伺いました。
大津市坂本地域で栽培される『坂本菊』
1990年代の後半には7品種栽培されていたそうです。その中で、在来種とみなされるのは筒弁・小輪の早生種、平弁・中輪の晩生種の2種。
その前者である、10月下旬から11月上旬に直径3センチ程度の黄色の花で、花弁が筒状になっているものが2018年、滋賀の伝統野菜として認定されました。
(参考文献:近江を中心とした伝統野菜文化史 佐藤茂著)
花が小さくて、病気に弱く、加工しにくいという『坂本菊』は、各家庭の畑で細々と栽培されてきました。
渡邉さんも、自宅と、親戚用のみ栽培されているそうです。坂本では『坂本菊』を食べないと秋を迎えた気にならない。と言われるほど重要な食材なんだそうです。他の菊にはなかなかない特徴のこの『坂本菊』が400年以上も守られてきたのにも、納得です。
貴重な『坂本菊』を収穫させていただきました。坂本では彩りとして使うのではなく、花そのものをたっぷりいただく楽しみ方。花弁だけを熱湯でさっと茹で、ゆずをしぼって、いただきます。
鮮やかな黄色と香りの強さ、苦味がなく、花びらが丸く筒状になっていてシャキシャキとした食感。ゆずがさっぱりとまとめていて。贅沢に、思う存分『坂本菊』を堪能できました。
渡邉さんは来年のために半分残し、そこから出てくる芽を5月に採って、また来年の分を栽培するそうです。
滋賀に住みながら、知らないことだらけの『坂本菊』今回、たくさん学ばせていただきました。
渡邉さん、今回はこのような機会をいただき、ありがとうございました。
(広報:野菜ソムリエプロ・小川)