今回は、栗東市内の小学校に通う児童の数について説明します。

 

栗東市は子育てする人が多いという印象がありますが、小学生の数は増えているのでしょうか、それとも減っているのでしょうか?

 

 

 

以下では特に断らない限り、滋賀県のホームページ

学校数、園児・児童・生徒数、本務教員数、学級数|滋賀県教育委員会 (shiga.lg.jp)

のデータを用います。

また、このデータに載っている児童数は、各年5月1日時点の人数です。

 

 

栗東市立小学校の児童数は2018年に4704名でしたが、2023年は4278名でした。

2018~2023年の5年間で426名減少しています。減少率は9.06%です。

 

 

5月1日時点の市町立小学校の児童数

 

この表は、2018~2023年における市町立小学校の児童数の推移を、周辺の市および滋賀県全体と比較したものです。

栗東市の減少率は、周辺市や滋賀県全体を上回っており、栗東市は少子化が急速に進んでいると言えます。

 

 

次は、栗東市の小学校ごとの人数です。

 

5月1日時点の栗東市立小学校の児童数

 

栗東市には小学校が9校ありますが、治田小学校と葉山東小学校以外は減少しています。減少している学校は全て、滋賀県全体を上回る減少率です。

 

減少率が最も大きいのは金勝小学校で28.36%、減少数が最も多いのは大宝小学校で137名です。

金勝および栗東駅周辺の小学校で、児童数の減少率が高い傾向がわかります。

 

栗東駅周辺の大宝および大宝東学区では、1990年代後半や2000年代前半に駅前のマンションなどの住宅が大量に供給されましたが、新幹線駅の計画が無くなった2007年頃を境に新規の住宅供給が少なくなりました。栗東駅周辺のマンションの多くは築15年以上が経過しており、マンションに住むお子さんが次々と小学校を卒業する一方で、近年の住宅供給の停滞によって小学校に入学する児童は少なく、小学生の児童数は大きく減りました。

 

一方、治田小学校は22.00%も増えています治田学区は栗東市の他の学区に比べて宅地開発が進んだ年代が遅く、2010年代の後半に宅地開発が急速に進みました。治田学区では近年急速に進んだ宅地開発によって、小学生や小学校入学前の子どもの数が急増し、これが児童数の急増につながっています。

 

治田小学校/栗東市 (ritto.lg.jp) の「治田小学校 沿革史」にあるPDFファイルから引用し、一部を加工

 

これは治田小学校の沿革です。この「主な事柄」を見ると、平成24年度(2012年度)と令和元年(2019年)に校舎が増築されたことがわかります。つまり、わずか7年間で校舎の増築が2回も行われたということになります。また、何月時点かは不明ですが児童数も書かれており、平成28年度(2016年度)以降は児童数が急増している様子がわかります。

 

栗東市全体や滋賀県全体で小学校の児童数が減少傾向にある中、児童数が急速に増えて校舎の増築が繰り返されているという点で、治田小学校は例外だと言えます。