滋賀心理カウンセリングです。
4日ほどの前のことですが、愛知県は名古屋市でカウンセラーをやってる知人が「深刻なんです・・・」と、わざわざ予約をとってくれてウチにカウンセリングを受けに来ました。
聞いてみると、「もうしんどい。カウンセラー辞めたい」と。
38歳のベテランの臨床心理士の女性で、専業で頑張ってきてるのに、どうしたん?と。
そしたら
『精神疾患とか発達障害の人の自己紹介がしんどい。圧が強すぎるし、わかってほしいってのを強要されて辛いんです』と。
おいおいお前さん、カウンセラーがそれを言っちゃあおしめぇよ(昭和)笑
『鬱とか適応障害の人が、どういう原因とか環境でそう弱ってしまったかという説明を聴くのは当然としても』
うんうん
『最近の人は、若い子も学生も大人もそうですけど定番の言葉があって』
うん?
『僕(私)、自己肯定感が低いんですってみんな言うでしょう?』
あー、言うねぇ
『低くないじゃないですか(泣)』
あー、うーん、うん。。。
『言いたいこと好き放題に言って、でもわかってくれないって文句を言って、しまいにはカウンセラーの私にまで伝わらないとか言ってきて、なのに自分は自己肯定感が低いんですって、ワガママすぎるでしょ(泣)』
それはまぁ確かに、そういう人もいるようになってきたね。
『弱ってる、病んでる、悩んでる、しんどいって言えば何でもまかり通ると思ってるのか、すべての免罪符のように不幸自慢する人が増えてませんか?』
あー、うーん、うん。。。
『大体ね、休んでもいいですよ。辞めてもいいですよ。転校でも転職でもいいです。引き籠っててもいいし、愚痴と文句しか言わなくなってるのもいいですよ。でもだからってね、それであなた将来どうすんの?って、なるじゃないですか!』
は、はぁ。。。
『いつまで親に甘えてんの?いい年して。将来はどうすんの?生活保護?親に甘えられなくなったら国に甘えるの?それであなた自身は何をしてるの?何ができるの?って、なるじゃないですか!』
は、はぁ。。。
『大体、仕事を覚える前からそもそも出勤すること自体を頑張らないととか、そもそも家から出るのも勇気が要るとか、そんなんでアナタ何の役に立つの?やる気ある無し以前にまったく戦力になってないのに「診断書もらってきました」とか言われる上司の気持ちも考えろ!ってなるじゃないですか?』
は、はぁ。。。
『やばい。愚痴が止まらないです(泣)すみません。こんな話されても先生が困っちゃいますよね』
いや、まぁそれを聴くのが仕事だし、吐き出せるなら我慢せずに吐き出しちゃっていいですよ。心理カウンセラーも人間なんだし。
『すみません。ありがとうございます。でも私って、やばいですよね。カウンセラーとしておかしくなってきてますよね』
うーん。そうですね。カウンセラーとして余裕がなくなってちゃ仕事にならないね。。。
『ですよね。でももう最近、何年も前からですけど、優しくなれないんです。ぜんぜん納得できないんです。もちろん相手によるけど、「自分に甘いですよ。もっと頑張れるよ。文句ばっかり言わないでしっかりしなよ」って思うのが激増してるんです』
うーん。うん。。。
『これって私が厳しいですか?それがわからなくなってきてるんです。精神年齢が低い大人が多すぎませんか?』
うーん。うん。。。
『カウンセラーって、どれだけ相手が自分に甘いだけの根性なしなだけでも、どこまでも理解してあげてトコトン甘やかすことをしないとダメですか?それって相手のためにならなくないですか?』
まぁ、そう、かなぁ。。。
『いま弱ってるじゃなく、最初から最後まで弱い人にどう接すればいいかがもうわかりません』
は、はぁ。。。
『でもカウンセラーがクライアントの弱さを許容できなくなったら終わりですよね』
うん、終わりやね
『私の感覚って、少しはわかってもらえます?』
うん、めっちゃわかるよ。人によってね
『ですよね。でも、私みたいにここまで来るとカウンセラーとして終わりですよね』
うん、終わりやね。終わりというか、気分転換なり、長めに休んでまた頑張ろうって自発的に思えるようになるまではしんどいでしょうね
『クライアントって、カウンセリングを受けたら何でも解決してくれると思ってるでしょう?』
あー、それはあるねぇ。多いねぇ
『でも、理想と違うなとか、意外と解決しないなって思ったらアッサリそれっきり来ないですよね』
うん、そうね
『それって自分に甘すぎですよね』
うん、そうね
『ですよね。あくまでクライアントが立ち上がるなり軌道修正するなり、頑張ろうとか良くなろうとすることを精神的にサポートするのが私たちの仕事ですよね』
うん、そうね
『なのに、他力本願のかたまりというか、カウンセラーが起死回生の奇跡を起こしてくれるかのように期待して来る人が多くないですか?』
うん、そうね
『それって、やっぱりどの角度から考えても、回り回ってどう見ても自己中に振り回される形になるばっかりじゃないですか?』
うん、わかる
『もうしんどいんです。耐えられないし、理解もできない。自己中なだけの人に振り回されて無理やり味方させられる。ちょっとでもおかしくない?って突っ込むと「この人はわかってくれない」みたいな顔をされるでしょう?』
うん、そうね
『私ムリです。いや、最初からしんどいとは思ってきてたんですけど、最近ホントにもう我慢ができなくなってて。実際そういう人って増えてません?レベルの低い、精神年齢の低い人』
まぁ、そうかな
『こっちが持たないですよね。ってかやっぱり私もうカウンセラーとしてダメですよね』
うん、そうね
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という話でした。
これって実は珍しくなくて、近年よくあることなんです。
カウンセラーはクライアントに潰されるという。
実際カウンセラーがウチ(カウンセリングルーム)にカウンセリングを受けに来るということが増えてます。
どれだけ親身になっても振り回されるばっかりで平気で裏切られて終わる繰り返し、みたいなのが増えてるとよく聞きます。
実際、我慢と努力ができない人が増えてるし、文句を言い過ぎるし文句を言うのが早すぎる人が増えてる。
よくわかるし、ものすごく実感してます。
メンタルの調整役としてカウンセラーが存在してるのに、その優しいカウンセラーにすら底なしに「もっとわかって。もっと優しくして」という、どうにも手に負えない人が増えてきてることは事実です。
でも、だからこそなんでしょうね。
カウンセラーにすらカウンセリングが必要ということは、カウンセラーじゃない人にはもっとカウンセリングが必要になってきてるということです。
社会がおかしい。政治がおかしい。大人がおかしい。育ってきた倫理や常識がおかしい。
義理、人情、筋、恩、人付き合いを大事にしない時代。
そりゃしんどいのが当たり前。
何が正しいかわからない。自分ばっかり妥協したり我慢してられないのもわかる。
相手より自分を大事にするように教育されてる。
以前は「ご近所さんと会ったら挨拶しなさい」だったのが、今では「挨拶しちゃダメ。話しかけられても返事しなくていい」と他人を犯罪者のように教え込まれる。
以前は親が先生に「この子がおかしなことしてたら引っ叩いてくれていいですよ」って先生や学校に任せてたのが、今は授業より旅行を優先する親がいる。集団行動を覚えるより我を優先させて甘やかす。先生が少しでもおかしいと思ったら虐待だセクハラだと騒ぎ立てる。
そりゃ世間知らずで自分最優先の自己中にしか育ちようがないです。
ちょっとしたことで「休んでいい、辞めていい、逃げていい、頑張らなくていい、自分を大事にしていい」って。そりゃ我慢も努力もできないし人を大事になんてできる訳がない教育です。
やる気があっても「無理しなくていいよ」と言われる。好きじゃなかったら「食べなくていいよ」と言われる。嫌になったら「やめていいよ」と言われる。
学校も部活もバイトも、就職してまでも腫れ物に触る感じでまともな教育をされなくなってトコトン甘やかされてる。
テレビのCMでは平気で転職を促す内容。そりゃ「石の上にも三年」に「はぁ?」って言うような子ばっかりになるのも当たり前。
徐々にそうなりだしたのが20年か25年ほど前。今ではそういう教育を受けた人が親になってきてる。
いつの時代も子供は悪くない。教育がおかしい。素直で聡明で体力もある子でも、おかしくされていく。
まぁみんながみんなじゃないですけどね。
でもおかしな子・大人が激増してるのは間違いない。
さぁそんな中で何が正しいのか。胸を張って一人で戦えるメンタルを持ち続けられるのか。
歪まされ続ける中で、否定され続ける中で、いつになったら認められるのかわからない中で頑張り続けられるのか。
しんどくて当たり前です。
そんな時のためのカウンセリングとも言えます。
だってカウンセラーですら精神が持たない話が増えてるんですから、そりゃしんどいです。
思考と人生の軌道修正のためにも多くの人が来てくれてます。
滋賀心理カウンセリングでした。