採用・定着・育成の専門家の山田真由子です。

本日の内容は、「職場とアルコール」についてです。

 

アルコール依存症に関する一般的なイメージは、一升瓶からお酒や焼酎を飲み、泥酔する姿が思い浮かぶかもしれません。しかし、現代では、強力なアルコール含有飲料、いわゆる「ストロング缶」がアルコール依存症の原因とされるケースが増えています。

 

コロナの時に、訪問看護や訪問介護の事業の管理者から相談を受けたことがあります。管理者からは、職場での飲酒が疑われるスタッフに対する懸念の声が上がっているがどうしたらよいのかというものでした。そこで、私は事業所レベルでの教育強化とアルコールチェッカーによるチェックの導入を提案しました。

 

2023年12月の法改正により、特定の条件を満たす企業ではアルコール検知器の使用と記録保持が義務付けられています。これは、社用車を利用する従業員の安全を確保し、職場でのアルコール問題に対する意識を高めるためのものです。

 

アルコール依存症は単に「お酒をやめれば解決する」というわけではなく、身体的な依存や離脱症状の恐怖に対する理解が必要です。その症状とは、手が震えたり、大量の汗が出てきたりします。アルコール問題の早期発見には、CAGEスコアが有効です。これは、4つの質問に基づき依存の可能性を客観的に評価することができます。

 

(CAGEスコア)

Cut down: 飲酒量を減らすべきだと思うか

Annoyed :他人に飲酒を批判されて疑わしいと思うか

Guilty:自分の飲酒に申し訳ないと感じるか

Eye-Opener:飲酒をしてしまうか

 

このうち、2項目以上当てはまると依存の可能性が高いと言われています。部下に疑いがある時は、専門の医療機関などに任せましょう。

 

企業や事業所は、職場での飲酒問題に対してより積極的なアプローチをとるべき時が来ています。