夫婦関係の相談を受けたり、自分の以前の夫婦関係を振り返ると、いくつかの共通点があることに気づきました。
今回は、女性目線から。次回は男性目線からの言い分について書きたいと思います。
では、女性目線バージョンから(笑)
まず、
日本の男性には、精神的に自立してない人が多すぎること。
大人になって一人暮らしを経験した人は、ある程度掃除や家事ができる人もいますが、
結婚すると、家事や子育てを「手伝う」お手伝いさん的ポジションになる人が圧倒的に多いですね。
日本人男性の家事への参加率が他国に比べて圧倒的に低いことについては今までも散々言われてきていることでデータもありますのでここでは先に進みます。
夫婦関係がうまくいかなくなった人たちのきっかけで多いのは、もちろん金銭感覚のズレや、DV、不貞、など分かりやすいものもありますが、日常的に積み重なるものとしては、
◎想像力のなさ
◎思いやりのなさ
◎母親と妻の置き換え
が原因となっていることが多いと思います。
旦那さん方の愚痴を継続的に奧さんが言っているのを聞いていると、共通点として「尊敬」がなくなっていることがあります。
これは、聞いていても心が痛むタイプの愚痴で、愛がない愚痴ですね。
でも、そりゃそうなるわ、と言うことを、旦那さんたちが、しちゃってるんですよね。
まず、そう言う愚痴を言われる旦那さんたちに共通してるのは、わかりやすく言うと、「甘ちゃん」です。
外に出て仕事をしている自分の方が、家でのんびりしている奧さんに比べて大変だ、と心のどこかで思っているタイプです。
そう思っていると、自然とそれが態度で出てきてしまいます。
奥さんがちょっとでもご飯手抜きをすると嫌な顔をするとか、基本的には家のこと子供のことは奥さんが把握して管理しているべきと考えているとか、労いの言葉がないとか、ありがとうがないとか、、、、
奥さんはあなたの母親ではありません。奥さんは、あなたの妻で、パートナーです。召使いではありません。
でも専業主婦ってそれが仕事でしょ、なんて言う人いますが、じゃああなたが専業主夫やれるんですかって話です。今ではやれる男子も増えてきましたが、圧倒的にできない男の人が多いです。
子供の予防接種、爪切りや投薬、保湿、宿題、寝る時間、3度の食事、精神的ケア、など子供に関してだけでもやること山積みで、さらに日常の家事(食事は、作るだけではなくその前の献立作り、買い物なども含まれます)や、非日常の家事(支払いや家計管理その他家に関わることすべて、近所づきあい、自治会、子供会など)など、専業主婦でも1日あっという間に過ぎていきます。
しかも子供付きでそれを全部やるわけですから、一人で買い物に行ったり掃除をしたりご飯を作ったりするのとは全く状況もストレスも違います。子供の数が増えれば増えるだけ、奥さんの負担が増えていきます。
でも自分は仕事が・・・
私は仕事フルタイムでしているので言えますが、
仕事だけするって、言い方悪いけど、簡単です。
子供や家のことを一切気にせずに、仕事に専念できるのって、それを誰かが負担してくれていないと無理です。
今では働くお母さんも多いですよね。パートで短時間とは言え、それに常に家のこと、子供のことを気にしながら、というのが付いてきます。
保育園や学校からの緊急連絡もまずは母親にかかってくることが多いですし、仕事が終わって子供と家に帰るとご飯を食べさせて風呂に入れて歯磨きをして寝かしつけて・・・平穏に息つく間もなく残った家事・・・
仕事に行く前や終わった後に小走りで保育園の送迎をしたり、買い物を早足でしたりする男性を、私は見たことがありません。
お母さんたちは、常に時間に追われて、常に、「次は・・・」というミニ計画を頭の中で練りながら一日を過ごしています。
そしてさらに、常に自分にとって一番大切な、「いきもの」を育てているので、怪我をしないよう、変なものを口に入れないよう、人を傷つけないよう、監督していなければいけません。マルチタスクです。
それに加えて思いやりのない旦那の態度・・・
そりゃ気持ちも萎えますよね。
そして、そんな男性を作ったのは、もちろん社会での生活もありますが、まずは男性の親たちだと思います。
◎彼らの父親も、母親にそのような態度で接してきた。
◎母親も、男の子である息子に家事や下の子たちの面倒を見る教育はしなかった。
このような男性たちが家庭を持った時、それをまた自分の家族にも押し付けようとします。
でも女性たちは昔とは違います。
女性を取り巻く働く環境も社会も、大きく変化しています。(それがいいことだとは思わないのですが、それについてはまた後日)。
結婚しても、女性にだって、男性と同じように働き続ける権利はあるし、男性にだって、家庭活動に参加する義務は女性同等にあるのではないでしょうか。
そして子供ができたら、女性の体、心は否応にも変化します。ここからは、男性には理解しにくい部分があって当然かとは思いますが、
私が言いたいのは、
「男性たち、もっとうまくやってくれ」
ということです。
家事が全くできなくて、奥さん任せになってるのなら、毎日、ありがとうを言って見てください。ありがとうは、言い過ぎることはありません。
子育てにも参加できないほど忙しいのであれば、せめて、奥さんの話に耳を傾けて、自分も子供に関心があることを示してください。あなたの子供です。
女性たちは、多くを男性に求めているわけではないのです。
(末期状態を除いて)
奥さんが不機嫌になる時、たいていの根本の原因は、「家事をしないこと」「ご飯を作ってから飲み会だと連絡すること」「子供と遊ばないこと」「疲れてすぐ寝ること」ではないのです。
自分が愛して結婚した人からの「思いやり」「愛情」が感じられないことが、「寂しい」のです。でも、女性にも意地がありますから、簡単に「寂しい」と言える人ばかりじゃありません。そこは、察して、うまく声をかけてください。
「いつもありがとう」「いつも任せてごめんね」の言葉と、ちょっと洗濯物をたたむだけで、どれだけの夫婦関係が改善するか・・・。
実際、そのレベルで改善できればこんな冷めた関係にはなっていなかっただろうに・・・と思う夫婦がたくさんいます。
奥さんの態度が慢性的に冷たくなっている時、それは、旦那さんへの情がなくなったわけではなく、「尊敬」を失っているからです。喧嘩の時に、「人として尊敬できない」なんて言われたことがある男性もいるのではないでしょうか。
それは、聞いて欲しい時に聞いてくれなかった、声をかけて欲しい時に関心を持ってくれなかった、孤独な時にさらに孤独になるような態度をされたことによる、失望感の表れでもあると思います。
多くの男性は、結婚しても、「社会人」のままでいられるし、「社会人」でいるだけで生きていますが、女性は、「社会人」から「嫁」「母」、時には更に「既婚者子持ちの社会人」としていろんな対応を求められます。
自分も半分くらいは奥さんのタスクを担っている、という人以外は、せめて、日常的な声かけくらいは、しませんか?
一番近くにいて、一番理解してくれるはずで、一番一緒に子供を育てて生きたいと思っているパートナーから、背を向けられたり、無関心を示されるのって、辛いことです。
お母さんは、息子に何か言って、はいはいと流されても、特に傷ついたりはしません。手伝ってと言って手伝わなくても、いちいち悲しくなったりはしません。でもそれは、息子だからです。
嫁はあなたのお母さんではありません。母になっても、結婚した時と同じ、あなたの「伴侶」です。