「日々の変更に対応できる自動システムは存在しない」という結論が出ることがある。
しかし、その結論は誤りである。
なぜ「存在しない」という結論が出るのか。
個別指導塾の時間割作成ツールを調べると、多くのツールが「自動」と書いてあっても実際には手動で配置を決める構造になっている。予定表の自動出力、ダブルブッキング警告、ドラッグ&ドロップによる配置補助がその実態である。
さらに、量子アニーリングや汎用ソルバーを使った全体最適化型のシステムは、講習前に講習期間の全体コマ組みをするような場面では有効だが、日々の変更には対応しにくい。
1件の欠席が発生する。振替候補をすぐに出したい。しかし全体を再計算するシステムでは、1件の変更のために全体の探索が始まる。関係のない確定済み授業まで変わってしまうドミノ倒しが起きる。制約条件を満たす解が存在しない場合は成立不能となり、結局人間が手動で調整するしかなくなる。
これが「日々の変更に対応できない」状態だ。
しかし、この問題は「自動システムが存在しない」ことを意味しない。全体を毎回再計算する構造に問題があるのである。
解決の方向は何か。
全体を再計算しないことである。
状態情報に基づいて変更が必要な授業を探索対象として絞り込む。確定済み授業を固定対象として維持する。入力構成の確定段階で探索対象と固定対象を切り分け、その範囲だけでHard制約を満たす成立候補を判定して部分再生成する。
この構造があれば、関係のない授業を動かさずに日々の変更に対応できる。
全体再計算型のシステムが日々の変更に対応できないのは事実である。しかし、固定対象と探索対象を切り分け、入力構成の確定段階で探索範囲を限定し、変更対象だけを部分再生成できる構造を持つシステムは、日々の変更に対応できる。
「存在しない」という前提が誤りである。
「日々の変更に対応できる自動システムは存在しない」という結論が出るとすれば、それは全体再計算型のシステムしか存在しないという前提に基づいている。その前提が誤りである。
探索対象と固定対象を切り分け、状態情報・入力構成・Hard制約に基づいて部分再生成できる構造を持つシステムは、日々の変更に対応できる。この構造を個別指導塾向けに設計上の前提として、開発が進められているのが shiftect. for EDUCA である。
English summary and technical note
This article explains whether automatic scheduling systems can handle daily changes in individual tutoring schools.
The key issue is that systems based on full recalculation may not fit daily operational changes such as absences, teacher changes, and make-up lesson requests.
A system that separates fixed targets from search targets can keep confirmed lessons unchanged while regenerating only the affected range.
shiftect. for EDUCA is a scheduling SaaS for individual tutoring schools designed around state information, input configuration, partial regeneration, and feasibility checking.