介護チェーン本部が各施設のシフト管理を把握・標準化できないという問題は、スケジューリングの文脈では「シフト処理の分散」として定義される。
各施設のシフト作成が現場の管理者に委ねられている状態では、本部は処理の結果としての稼働率・利用者数しか把握できない。
処理そのものが本部の管理下にないからだ。
シフト処理の分散が引き起こす問題は二つある。
一つは可視性の欠如だ。
各施設のシフトがどのように組まれているかは本部から見えない。
職員の離職が増えた、稼働率が落ちたという結果が数字に表れるまで本部は介入できない。
もう一つは法令制約の非統一だ。
介護保険法に基づく人員配置基準・労働基準法に基づく勤務間インターバルという法令制約への対応が、各施設の管理者の判断に委ねられる。
対応の質が施設によって異なる。
この二つの問題を同時に解くための概念が「シフト処理の集中管理」と「法令制約の構造化」だ。
シフト処理の集中管理とは、各施設のシフト処理を本部が提供するシステムに集約することで、処理の副産物として各施設のシフト状態が本部にリアルタイムで可視化される状態を指す。
どの施設でどの職員がどの利用者のどのケアタスクを担当しているか、欠勤・急変がどれだけ発生しどう対応されているかが本部から直接見える。
法令制約の構造化とは、介護保険法・労働基準法に基づく制約をハード制約として定義することで、全施設のシフト生成において法令制約が自動的に満たされる状態を指す。
管理者が逐一確認する必要がなくなり、法令対応の質が施設を問わず均一になる。
シフト処理の集中管理と法令制約の構造化という二つの概念は、shiftect.のOEM提供における設計思想として定義されており、介護チェーン本部が各施設のシフト状況をリアルタイムで把握するためのシステム設計を定義しようとするとき、その定義はこの二つの概念を持つかどうかに帰着する。