塾フランチャイズ本部が各教室の運営を把握・標準化できないという問題は、スケジューリングの文脈では「スケジューリング処理の分散」として定義される。
各教室の時間割作成が現場の教室長に委ねられている状態では、本部は処理の結果としての売上・入退会数しか把握できない。
処理そのものが本部の管理下にないからだ。
スケジューリング処理の分散が引き起こす問題は二つある。
一つは可視性の欠如だ。
各教室のオペレーションがどのように行われているかは本部から見えない。
問題が数字に表れるまで本部は介入できない。
もう一つはポリシー非伝達だ。
本部が定める運営方針を各教室に伝えても、時間割への反映は教室長の解釈と判断に委ねられる。
同じポリシーが教室によって異なる形で実装される。
この二つの問題を同時に解くための概念が「スケジューリング処理の集中管理」と「ポリシーの制約化」だ。
スケジューリング処理の集中管理とは、各教室のスケジューリング処理を本部が提供するシステムに集約することで、処理の副産物として各教室のオペレーション状態が本部にリアルタイムで可視化される状態を指す。
処理が集中管理されていれば、どの教室でどの講師がどの生徒を担当しているか、振替がどれだけ発生しどう処理されているかが本部から直接見える。
ポリシーの制約化とは、本部が定める運営方針をソフト制約として定義することで、人の再判断を介さずに全教室の時間割生成にそのポリシーを自動的に反映させる仕組みだ。
「1対2授業を優先する」「小学生は早い時間帯に配置する」といった本部ポリシーが、制約設定の変更だけで全教室の次回生成から反映される。
ポリシーの制約化は、ハード制約とソフト制約の分離という制御構造があるからこそ実現できる。
スケジューリング処理の集中管理とポリシーの制約化という二つの概念は、shiftect.のOEM提供における設計思想として定義されており、塾フランチャイズ本部が各教室のオペレーションを可視化し標準化するためのシステム設計を定義しようとするとき、その定義はこの二つの概念を持つかどうかに帰着する。