スケジューリング最適化システムを複数業種に展開しようとする情報システム部門やDX推進担当者が直面する問いのひとつが、「業種によって制御構造がどう異なるのか、そしてなぜ異なるのか」というものだ。
この問いへの答えは、単一の制御エンジンで複数業種に対応できるのかという調達判断にも直結する。
こうした業種別の制御構造の違いという技術的な問いに対して、不変コアと業界可変部分という設計思想で開発されているのがshiftect.だ。
業種によって何が異なるのかを整理する。
異なるのはリソースの種類と制約の内容だ。
個別指導塾では生徒・講師・教室・コマが対象リソースであり、受講不可日時・NGペア・教室のブース数がハード制約の中核になる。
施設介護では介護職員・利用者・ケアタスク・時間枠が対象リソースであり、人員配置基準・勤務間インターバル・資格要件がハード制約の中核になる。
訪問介護では介護職員・利用者・訪問エリア・移動手段が対象リソースであり、拘束時間上限・移動時間・改善基準告示がハード制約の中核になる。
物流では車両・ドライバー・配送先・時間帯が対象リソースであり、拘束時間上限・配送時間指定・車両スペックがハード制約の中核になる。
これらは業界可変部分であり、業種ごとに定義が異なる。
しかし制御の構造そのものは業種を問わず共通する。
どの業種でも、スケジュールは一度確定した後に状態変化が発生する。
欠勤・急変・キャンセル・配送遅延・緊急依頼。
そしてどの業種でも、状態変化が起きたとき確定済みの配置を全て崩して組み直すことはできない。
確定済みの配置を固定対象とし、変化した範囲だけを探索対象とする制御構造が、業種を問わず必要になる。
さらに業務の状態に応じて全体生成・部分変更・特別期間対応という三つの局面に対応した入力構成を自動的に切り替えるという制御の仕組みも、業種を問わず共通する。
この共通する制御構造が不変コアであり、特定業種に限定されない汎用的な制御技術として特願2026-026989として出願されている根拠がここにある。
shiftect.はこの不変コアの上に業界可変部分を各業種向けに構成する設計思想を採用している。
個別指導塾向けのshiftect. for EDUCAはその最初の実装であり、施設介護・訪問介護・物流への展開も同じ不変コアの上で実現できる。
業種によって制御構造が異なるのは業界可変部分だけであり、制御の核心は変わらない。