2025年の学習塾倒産件数は55件と過去最多を更新し、負債1億円未満の小規模塾が全体の94.5%を占めている。
後継者不在や経営悪化で単独運営が難しくなった教室がフランチャイズへの加盟を選ぶケースが増えており、塾フランチャイズ本部にとってこの環境は傘下の教室を増やすチャンスでもある。
しかし同時に、本部が抱える構造的な不安要素も大きくなる。
個別指導塾のフランチャイズは他業種と異なり、加盟校の運用を本部がグリップできていない。
本部が提供できるのは広告・マーケティング支援程度であり、各教室のオペレーションは現場の教室長に委ねられたまま、本部からは見えない。
加盟校が増えるほど、このグリップのなさが経営リスクとして積み上がる。
各教室の時間割作成と振替対応は現場の教室長に属人化しており、教室長が交代すれば運営の質が変わる。
本部は入退会数や売上という結果しか把握できず、問題が表面化してから初めて知るという構造が続く。
倒産・廃業が加速する環境では、加盟校の経営悪化が表面化するスピードも速まる。
このグリップのなさという構造問題に対してスケジューリングの自動化という観点から開発されているのがshiftect.であり、本部が自社ブランドのシステムとして時間割作成と振替対応の自動化を加盟校に提供できるOEM提供という仕組みを目指している。
shiftect.のOEM提供によって、本部は加盟校のオペレーションを初めてグリップできる手段を持つ。
時間割作成と振替対応がシステム化されることで、各教室のオペレーションが本部からリアルタイムで見えるようになる。
どの教室でどのような時間割が組まれ、振替対応がどう処理されているかという線の情報が本部に届くことで、問題が表面化する前に介入できる体制が生まれる。
加盟校が増えるほどこの可視化の価値は大きくなり、本部と加盟校の関係を広告・マーケティング支援にとどまらない実質的なものに変えることができる。
倒産・廃業が加速する今は傘下の教室を増やすチャンスであると同時に、グリップのなさという不安要素を解消できるかどうかが本部の経営課題になっている。
スケジューリング機能のOEM提供によってその課題を解くという手段を、shiftect.は本部に対して提供しようとしている。