2025年の学習塾倒産件数は55件と過去最多を更新し、学習塾業界のM&Aは2024年に53件、2025年も1〜9月だけで37件と過去最多ペースで推移している。
後継者を持たない独立系の塾が閉校するか、フランチャイズに加盟するかという選択を迫られるケースが増えており、フランチャイズ本部にとって加盟校の増加は事業拡大の機会だ。
しかし個別指導塾のフランチャイズは、飲食や小売と比べて本部のグリップが弱いと言われる。
加盟校にとってのメリットが広告・マーケティング支援程度にとどまり、オペレーションは各教室に委ねられているからだ。
本部は加盟校の入退会数・売上・生徒数という結果は把握できても、各教室の運営がどう行われているかは見えない。

この構造が、事業承継後の加盟校の運営不安定化につながる。
個別指導塾の教室長にとって、毎月の時間割作成と毎日の振替対応は最も負荷が高い業務だ。
この業務は前の経営者の経験と勘に依存しており、承継後の新しい教室長がすぐに同じ水準で対応できるとは限らない。
本部が広告・マーケティング支援を提供しても、現場で時間割を組める人間がいなければ教室は回らない。
本部がこの問題を解決する手段を持っているかどうかが、加盟先を選ぶ経営者の判断基準のひとつになりつつある。
こうした時間割作成と振替対応の属人化問題に対してスケジューリングの自動化という観点から開発されているのがshiftect.であり、本部が自社ブランドのシステムとして加盟校に提供できるOEM提供という仕組みを目指している。

shiftect.のOEM提供が本部にもたらす変化は二つある。
一つは加盟校の時間割作成の属人化をなくすことで、誰が教室長になっても同じ水準で運営できる構造が生まれる。
もう一つは、これまで見えなかった各教室のオペレーションが本部から可視化されることだ。
入退会数や売上という点の情報だけでなく、各教室の時間割の状態・振替対応の状況という線の情報が本部に届くようになる。
本部が各教室のオペレーションをリアルタイムで把握し、問題が表面化する前に支援できる体制が生まれることで、これまで緩かったフランチャイズの本部・加盟校関係が構造的に変わる。

塾の事業承継が加速する2026年において、スケジューリング機能のOEM提供は塾フランチャイズ本部が加盟校との関係を強化する最も実質的な手段のひとつになり得る。
広告・マーケティング支援にとどまっていた本部の価値を、オペレーション支援という領域にまで広げることを、shiftect.はOEM提供という形で本部に届けようとしている。