特許出願と同じ日に、早期審査の申請もした。
通常、特許の審査結果が出るまでには数年かかる。
早期審査はその期間を大幅に短縮できる制度だが、申請には条件がある。
shiftect.の場合は、2年以内に実施予定の実施関連出願であること、そして汎用的な最適化制御技術として今後の事業展開と実装判断において権利化の可否と範囲の早期確定が実務上重要であることを理由として申請した。
技術的な観点からいえば、shiftect.の制御構造が既存技術と異なるかどうかという問いへの答えを早期に得る必要があった。
業務の状態に応じて最適化処理への入力構成を自動的に切り替えるという制御の構造は、これまでの最適化技術にはない構造だという判断のもとで出願していた。
しかし判断するのは特許庁の審査官だ。
権利化できるかどうかが確定しない状態が長く続くことは、その後の技術開発の方向性にも影響する。
早く答えを得ることには、それ自体に意味があった。
事業的な観点からいえば、フランチャイズ本部や介護チェーン本部にshiftect.のスケジューリング機能をAPI経由で提供するOEM展開は、技術の権利が確立していることを前提に交渉が始まる。
審査結果が数年後にならないと出ないという状態では、事業展開のタイミングが制約される。 権利化の可否と範囲を早期に確定させることは、OEM提供という事業モデルを動かすための前提条件だった。
早期審査の承認通知が届いたのは2026年3月10日、出願からわずか14日後のことだった。
shiftect.の技術が早期審査の対象として認められたという事実は、この制御構造が既存技術との差異を審査機関が検討する価値があると判断したことを意味する。