発明提案書を書くにあたって、最初にぶつかった壁は「何が新しいのかを技術的に説明できるか」という問いだった。

自分の中では解くべき問題の構造は見えていた。
しかし特許の文脈で「従来技術と何が違うのか」を説明するためには、従来技術を正確に把握した上で、差異を技術的な言葉で記述しなければならない。

従来のスケジューリングシステムは、全ての割当候補を変数として一括して最適化処理に与える構成だった。
初回作成も、部分的な再計算も、特定の1件の変更対応も、同じ前提で処理する。
その結果、ユーザーが「固定したい割当」を個別に指定し、再計算の対象範囲を手動で設定しなければならなかった。
誤って固定すべき箇所を探索対象に含めてしまうと、関係のない配置まで変わってしまう。
逆に、探索対象とすべき箇所を固定してしまうと、解なしとなり配置を生成できない。

この問題構造を整理したとき、shiftect.が解こうとしている問題との差異が明確になった。
「与えられた条件で計算する」のではなく、「業務の局面に応じて問題の構造そのものを動的に制御する」。
shiftect.においては、ユーザーの操作状況と確定済みデータの保持状況という状態情報に基づいて、今回の最適化処理における変数と定数の構成をシステムが自動的に決定する。
ユーザーは探索対象の構成を指定する必要がない。

従来人手で行われていた「どの条件・候補を前提とし、どこを再調整すべきか」という判断業務を、shiftect.の制御構造が代替する。
この構成が先行技術には存在しないという確信が、発明提案書の作成を通じて生まれた。
shiftect.は特願2026-026989として出願、早期審査が承認されている。