2023年にAIへの関心が生まれてから、AIと向き合う時間が急速に増えていった。

毎日8時間以上、長いときは16時間。仕事の合間ではなく、それ自体が主要な時間の使い方になっていた。

 

最初の半年は、できることを試し続ける時期だった。文章を生成させる、アイデアを出させる、調査をさせる。試せば試すほど、期待通りに動く場面と、そうでない場面の境界が見えてくる。

「AIは何でもできる」という最初の期待は、この時期に少しずつ解像度の高い認識に変わっていった。

 

変化の核心は、AIと対話する中で「問いの立て方」が変わったことだ。

最初は「AIに何ができるか」を問いていた。それがいつの頃からか「AIが得意なこととそうでないことの境界はどこにあるか」「人間とAIはどう役割を分けるべきか」という問いに変わっていた。

 

この問いの変化が、その後の方向性を決定的に変えた。AIをツールとして使いこなすことではなく、AIの得意領域と人間の得意領域を構造として分ける、という発想が固まっていったのはこの1年間の過程だ。

 

後から振り返れば、この1年間はshiftect.の設計思想の土台を作っていた時期だった。

ただし当時はそこまで見えていなかった。

 

毎日AIと対話し続けることで何かが変わっていく感覚はあったが、それがどこに向かうかはまだわかっていなかった。