先日NHK Eテレで、デザイン学の教授がこんな話をされていました。

「デザインは先行事例を検証し、そこにあらたな試みを行い、オリジナリティを創るものとされています。」

これはその通りだと共感するし、、デザインだけでなく絵画や彫刻、音楽にも言えること。

もっと言えば、様々な業種でも学校でも部活でも、日々の生活でも同じことが言えるのでしょう。




私にはデザインの世界でも天才だと尊敬する芸術家が3人います。


一人はレオナルド・ダ・ヴィンチ

一人はアントニオ・ガウディ

もう一人は葛飾北斎です。

「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」で、日本人として唯一86位にランクインした浮世絵師。

浮世絵とは浮世(今様。。現代風)を描いた、江戸時代に成立したジャンルで、多色摺りの木版画の場合が多いですね。


北斎の凄さは様々あるので、デザイン的な視点で、一部分だけ取り上げます。


「富嶽三十六景 神奈川沖波裏」





あまりにも有名なこの作品は、印象派の画家ゴッホが絶賛し、作曲家ドビュッシーが交響詩『海』を着想するなど、欧州の芸術家達に影響を与えたり、

構図とともに素晴らしいのは白い波しぶきの表現。

ハイスピードカメラなどで撮影された波と比較すると、それが写実的に優れた静止画であることが確かめられます。(参照wikipedia)



驚くべきはこの迫力ある作品を完成させたのが、平均寿命50歳の時代にもかかわらず、70歳を過ぎた頃であり、北斎の最盛期はこの時期であること。




北斎は40歳の頃、この波の表現にチャレンジしていました。








迫力や躍動感が不足していおり、北斎自身も挫折を味わったようです。

波、水しぶきを描くために、何日何日も海を眺めていたそうです。


波を描いた先行事例も研究していたようです。

特に有名なのが、沈南蘋(しんなんびん)筆 丹鳳朝陽図





岩にあたる波しぶきの表現をヒントに、神奈川沖波裏を描いたと言われています。


あらためて、神奈川沖波裏を観ると、その構図の素晴らしさと波の躍動感と迫力に圧倒されます。





北斎の凄さをもう少し付け足すと、この北斎漫画も有名ですが、

漫画の走りと言ってもいいでしょうね。





蛸と海女は、その艶かしい淫靡な世界観が、現代の映画などに多く引用されています。




お金や身なり、行儀などに無頓着で、外国人や役者、旗本などとトラブルも絶えない、奇行が目立つ人物だったようですが、それが天才たる所以なんでしょうね。