パクリ疑惑で世論が沸騰していて、

TVのコメンテーターに「こんなの俺だって描けるよ」と言われ、

少々肩身の狭い思いをしているデザイナーです。



彼のデザインが良いとか悪いとかというコメントはいたしません。

ただあのエンブレムは、簡単に作られたものではなく、練りに練られたものだということはわかります。


今日はそこではなく、テレビやネットでの様々なコメントを見ていて、

「デザイン」という言葉で全てが一括りになっているのが残念という話です。

一般的にその程度の認識しかないのが「日本のデザイン」という世界なのでしょう。



デザインはスポーツという総称と同じです。

スポーツの中には野球もあり、サッカーもあり、陸上や水泳やレスリングもあり、

ライフル射撃とかアーチェリーとか・・・陸上や水中などの様々な環境の中でおこなわれます。

五輪だって夏と冬があり、スキーやスケートなど雪や氷の上で争うものだってあります。

スポーツはその芯にある強靭な肉体や精神的なものは同じだとしても、

まったく違う技術や能力を競い合うものだと思います。




デザインも同じように、様々な分野があり、まったく別の技術や能力が必要となります。


日本には、日本デザイン団体協議会という経済産業省所管の社団法人であるデザイン団体が8つあります。


1, 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)
グラフィックデザイン、広告、ロゴなど今回問題になっているのがグラフィックデザインの分野です。


2, 日本空間デザイン協会(DSA)
ショーウインドウ&ディスプレイ、エキシビション、ショールーム、プロモーション、文化空間、商業空間、エンターテインメント空間など三次元四次元ですね、私が所属する分野です。


3, 日本クラフトデザイン協会(JCDA)
陶磁器、ガラス、テキスタイル、木工、漆器、籐、金工、伝統工芸品などアーティストと言っても良い分野です。


4, 日本インテリアデザイナー協会(JID)
インテリア、建築、家具、照明、内装材(カーテンカーペットなど)、アートアクセサリー、最近では福祉環境も含まれてきます。


5, 日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)
大量生産される工業製品のデザイン。家電製品、トランスポート(自動車、電車、飛行機、バイク、自転車)、雑貨、通信(スマホなど)、大手メーカーのハウスデザイナーが多く所属する分野です。


6, 日本ジュエリーデザイナー協会(JJDA)
宝石、アクセサリーなど、山梨には馴染み深い分野です。


7, 日本パッケージデザイン協会(JPDA)
食品パッケージ、飲料ボトルデザイン、化粧品、BOX、袋など、日常的な購買に関係する分野です。


8, 日本サインデザイン協会(SDA)
屋外広告、誘導サイン、景観計画、エキシビション、イルミネーション、ピクトグラムなどこの分野も私が所属するカテゴリーです。





これはデザインのカテゴリーを表した表ですが、各分野には、それぞれの能力が必要となるだけでなく、まったく違う考え方も必要となります。

またお気づきかもしれませんが、文系的デザイン分野と理系的デザイン分野が存在します。

円の半分左側が理系、右側が文系とそんなに単純ではないのですが。



工業デザインや建築デザインは理系的で、技術や素材の進化とともにあります。
今まで造り得なかった形を、新技術や新素材でできるようになった場合に、似たようなデザインが出来てくるのは、進化の過程ではありえることでしょう。


一方、空間デザインは文系的です。感性や歴史認識におう部分が多いです。
「古きアメリカを意識したデザイン」という注文に対して、スウィング扉を使用したり、オーク調のハイカウンターを設置などということは当たり前にあることでしょう。

模倣はコピーと同意義だと思いますが、コピーは響きが悪くなってしまい、こちらの方がしっくりくるので模倣と言います。

歴史を模倣し継承する・・・これもコピペになってしまうのでしょうかね。




デザインも基本的な見識や精神は一貫してるものがありますが、その分野ごとに多少のモラルは変わってきます。



伝統工芸は、先人達の失敗の積み重ねの上に、その技術を伝えています。

模倣と継承によって伝統を作りあげるデザインもあることを理解しなければいけないのでしょうね。



いかがでしょうか、デザインを一括りにしてないでしょうか。