去年の年末、SNSに次のような質問がありました。

 

基本的に数学の質問にはお答えしないのですが、面白かったので解説します。

明日のセンター試験に役立つと思います(こんなぎりぎりの段階なので受験生は見なくてもよいですけど(笑))。

まずは問題から(一部分のみ表示します)。

 

 

答は、 「必要条件でも十分条件もない」 です。

その生徒の質問は

 

「rならばpの反例はx=0であるとなぜ気づけるんですか?ひらめきですか?知識ですか?」

 

というものでした(少し表現盛ってますw)。

 

では、解説しましょう。

 

センター試験の必要条件、十分条件の問題を解くには証明力が必要です。

この場合、x=0という反例に気づけなかったらどうします?

 

まさか、なんとなくとか反例が見つからなさそうだから

 

r⇒pは真である

 

と判断しますか?それは危険ですよね。やはり、rならばpを真と証明できてからでないと真と判断するのは怖いですよね。

 

この場合、たいていの人は、背理法を用いた下のような証明を試みると思います。

さて、下の証明は 間違っている のですがどこが間違っているかわかりますか?

 

 

 

この証明は、下から3行目で両辺をbで割っていますよね。

ところが数学では0で割ることはできません(だから上の証明は誤り)!!

 

ですが、上の誤答は次のことを意味しています。

 

もし、b≠0と(どこかに)保証されていれば、上の証明(上の矛盾)は正しい

 

正確に言うと、

 

もし反例が(仮にあるとするならば)x=0しかない!!

 

ということを意味するわけです。

 

よって、x=0の場合にrならばpが成り立つかどうかを判断して、真偽を判断すればよいということになるわけです。

 

論理的に考えるということはこういうことなわけです。

 

今日はこの辺で。