今回の問題です。






まずは、基本となる公式から。



下図を見てください。

ADとBCが平行のとき、AB、CDの中それぞれP、Qとすると(左図)、(AD+BC)/2=PQが成り立ちます。
これは右図のように対角線ACを考えて、中点連結定理を使って証明することができます(直観では当たり前)。

(証明)
右図において、2PR=BC,2RQ=ADより、
AD+BC=2RQ+2PR=2(PR+RQ)=2PQ
あとは、この式の両辺を2で割ればよい。













この、線分PQを便宜上、ここでは、中央線と呼ぶことにします(なんて、呼ぶんだろう?)。このとき、台形ABCDの面積は、中央線PQを使って、次のように書き換えられます。
  (台形の面積)=(中央線の長さ)×(高さ)



証明は下の図にあります。





さて、解答です。



下の図を見てください。
左側の図で青い部分が、2cm、4cmは自明ですよね。
このとき、L字の図形を左図の青い線分で2つの台形に分けると、それぞれの面積は


(右上の台形の面積)=(6+8)×4÷2=28
(左下の台形の面積)=(14+18)×2÷2=32


です(全体の面積は60)。


これをlによって、3等分するためには、右図の4つの部分の面積が

緑20、黄色12、赤8、青20


となればよいとわかります。




ここで、中央線を登場させて、次の図のように、4つのその長さを順にa,b,c,dとおきます。









このとき、面積に関する方程式を立てると


4a=20、4b=8、2c=12,2d=20


より、



a=5,b=2,c=6,d=10



とわかります(下図)。ちなみに、dは以下では必要ありません。






よって、赤い部分の直角三角形(Bから中央線に垂線を下して作る三角形)に注目すると、


x:2=1:3(b:c=2:6に等しい)


ので、x=2/3となり、


AB=5-2/3=13/3


となるわけです。



なかなか面白いですね。


では、また次回。