今年のⅠ・Aの第4問が面白かったので、ブログ上で解説したいと思います。
まず(6)ですが、
満点を狙う人は余事象を利用しない!!
と思います。なぜだかわかりますか?それは、
もったいない!!
からなんですよ。満点をとりたい人にとって、場合の数・確率はケアレスミスが怖い分野です。
ところが、この問題は、(1)と(3)から(6)でdouble counting(一つのものを二通りの方法で数えること)をしています。
ですから、できることなら余事象は使いたくない。そして、(1)と(3)から(6)の合計が同じになることを確認して、検算することによって、確実に満点をとりたいんですよ。
では、(1)から。
これは、下図のようにA⇒B⇒C⇒D⇒Eと順番に決めていけば積の法則で
3×2×2×2×2=48
(※Aは、赤、緑、青のうち、何でもいいから3通り。B以降は、「隣どうしは違う色」なので一つ減り2通りずつ)
(2)左右対称なので、下図の2か所のBと2か所のCは同じ色。だから、A⇒B⇒Cと順番に決めていけば積の法則で
3×2×2=12
(3)2色だけで塗るのですが、「隣どうしは異なる色で塗る」ので、これは「2色を交互に塗る」ということを意味します。よって、2通り。
ちなみに、これから次のことがわかります。
1×nの板がある。2色だけで隣りどうしが異なるように色を塗る塗り方は「2色を交互に塗る」ことを意味するので、2通りである←以下、これを(☆)と書きます
実際、1×4の板でも1×6の板でも「2色を用いて、隣どうしが異なる色で色を塗る方法」は2通りですよね。
これによって、
赤が何枚あるかで場合分けする
⇒そして、残りの板を赤以外の2色だけで塗る方法に帰着させる
ことができて(4)から(6)の設問が解け、double countingできるわけです。
(4)赤が3枚ある場合は、赤の配置は下の塗り方しかありません(以下、白は緑と青で塗る所を指します)。
このとき、A,Bを残り2色で塗る方法は、(☆)より、それぞれ2通りずつあるので
2×2=4
(5)赤が1枚の場合
赤が端にくるときは、残り4枚の白が連続します(これを「白の連結成分が1個」と呼ぶことにします)。
赤が左端のときはAのところを残り2色でぬる方法は2通り((☆)より)
赤が右端のときはBのところを残り2色でぬる方法は2通り((☆)より)
よって、キは
2+2=4
赤が端に来ないとき(この場合下の①、②、③の3つの場合がある)、残り4枚の白は左側のAの部分と右側のBの部分に分裂します(これを「白は連結成分が2個」と呼ぶことにします)。
①ではA、Bの部分を残り2色で塗る方法はそれぞれ2通り((☆)より)ずつあるので、①の残り4枚の塗り方は
2×2=4通り
②、③も、同様に4通りずつあるので、合計すると、クケは
4+4+4=12通り
コサは、キとクケの合計で
4+12=16通り
そして、この(5)から次のことがわかります。
「赤が端にくる場合」と「赤が端にこない場合」で残りの白の板の連結の仕方(白の連結成分の個数)が変わる(ということは、残り2色で塗る塗り方が変わる)
これは、(6)で効いてきます。
(6)赤が2枚あるのは下の6つの場合です。
ただし、全部書きあげるのはモレが怖いので、こういうのは用心して数式で検算します。
(「○、○、○、R,Rの5つをRが隣り合わないように並べる方法」は、4C2=6通りある。だから、場合分けは6個の場合があるはず)。
そして、
赤が2枚とも端にある①の場合(白の連結成分は1つ)、残り3枚を2色で塗る方法は2通り
2枚の赤のうち1枚だけが端にある②から⑤の場合(白の連結成分は2つ)、残り3枚を2色で塗る方法は2×2=4通り
赤が2枚とも端にない⑥の場合(白の連結成分は3つ)、残り3枚を2色で塗る方法は2×2×2=8通り
よって、和の法則より、①から⑥の合計は
2+4+4+4+4+8=26
となるわけです。
文章だけなのでわかりにくいかもしれません(誤植あるかもです)。ちなみに、自分が解いたときは、すーつと頭の中にこれが浮かんできたので、5分かからず解けました。
なかなか面白い問題ですよね。
48通りだから全部書けば終わりじゃん(受験生はそれでよい)なんて、悲しいこと言わないでくださいね。まぁ、もちろん、書き出して見ることは大事だけどさ。
数学の面白さを伝える指導者がそれを言ってはいかんでしょ(あくまでも、個人的意見です(笑))。数学的な見方を説明した後に、「わかんなかったら全部書けばいいんだよ」はいいですけどね。
では、また。