もう一つの十二運 | 四柱推命を理解する

四柱推命を理解する

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四柱推命や、東洋思想、宗教、哲学を通じて、ヒトの生き方について考えたい。

四柱推命と同じく干支暦を用いて占う占術に、『断易』という卜術があります。

 

断易は中国の春秋戦国時代、縦横家の祖と呼ばれた『鬼谷子』という人物が造ったと言われています。

 

 

そしてその断易にも十二運があるんです。

 

 

ただし断易の十二運は、四柱推命の十二運とは異なる理論で配列されています。

 

 

 

  異なる二つの十二運

 

四柱推命と断易の十二運の相違点

・四柱推命では陽干は順行し、陰干は逆行するが、断易では陽干も陰干も、同一五行は同じ振り分けをする

・四柱推命では火土同根の理によって、土は火に寄せる

・断易では土水同根を取り、土は水に寄せる

 

 

(四柱推命の十二運表)

 

 

(断易の十二運表)

 

 

 

 四柱推命も断易も、土の五行は他の五行の十二運を借りることになっています。

これは前回も説明した通り、十二運が三合の生旺墓を基準に作られたため、その構造上、本来は十二運に土性が入り込む余地がないため仕方がありません。

 

 

断易で用いられる十二運は陽干と陰干が同じなので、私が前回指摘した、矛盾する陰干の十二運問題が断易版ではクリアされています。

土水同根はちょっと微妙ですけど、それ以外は断易の十二運のがしっくりくる感じがします。

 

 

 

 

それにしてもなぜ、四柱推命と断易では別の十二運が運用されるのでしょうか?

 

「占術が違うのだからそういうものだ」と言ってしまえばそれまでですが、例えばこれが四柱推命と紫微斗数の十二運の違いならそれで片付けてもいいのかもしれません。

ですが四柱推命と断易は同じ干支暦に基づく占術です。

 

十干から見た地支との関係性を表すための十二運なんですよ?

なのに占術によってその関係性が別のものになっている。

 

一方は乙日から亥を見て『死』ですなあ、って言ってて、

もう一方は乙日から同じ亥を見て『長生』ですよって言ってる。

 

これについて何も疑問に思わずに受け入れられますか?

 

普通の感覚を持っている人間であれば、明確な説明がない限りは納得できなくないですか?

 

 

 

 

 少なくとも私は納得できないんですね。

 

 

私が普通の感覚を持っている人間なのかどうかは置いておいて。

 

 

 

 

 

十二運を鑑定に用いている占い師さんは、ちゃんと十二運について考えたことありますか?

理論とか根拠とか説明できますか?

鑑定に十二運を使って責任持てますか?

 

 

  四柱推命と断易、どちらが先なのか

 

ではここで占術の成立時期を見てみます。

 

 

断易は春秋戦国時代の鬼谷子が始めたと言われています。

その伝説を信じるならば紀元前300年頃、今からおよそ2千3百年前に作られた占いだと思われます。

 

 

 

 

一方、干支暦を命術に用いる占いでは、『算命学』という占術を鬼谷子が行ったという説がありますが、これについては一切の文献記録もなく、後世にも算命学を行ったという人物がいません。

なので算命学は高尾義政によって四柱推命を模倣して創作された占いなのではないか?と思われます。

Wikipediaの算命学の頁を参照のこと。

 

 

一応算命学の話をすると、算命学にも四柱推命の十二運と同様の構造を持った、『十二大従星』というものがあります。

十二大従星はその星の名前こそ違えど、四柱推命の十二運とそっくりそのまま全く同じ配列になっています。

 

 

 

とは言え、あまりにも真偽不明な部分が多い算命学の伝承は棄却して、ここでは干支暦を用いる命術の中でしっかりとした文献記録が残っている書として、『珞琭子三命消息賦註(らくろくしさんめいしょうそくふちゅう)』を挙げておきます。

 

 

この書は今からおよそ千年ほど前、中国の宋の時代に『徐子平』という人物によって編纂されました。

 

徐子平って言ったら現代風の四柱推命を最初に始めた人として有名ですよね。

 

知らない人は覚えてね。

 

 

で、実は三命消息賦の中に十二運に関する記述があるんですよね

 

 

つまり“歴史上最も古い四柱推命の十二運”が記されています。

 

 

 

 

さて、ここでクイズです。

三命消息賦の十二運は四柱推命と断易のどっちの十二運でしょうか!?

 

それとも全く別の十二運でしょうか!?

 

 

 

 

 

 

正解発表は次回します!


こんなマニアックで、しかも鑑定の役には立たない様なクイズですみません。



ただただ長々と書くのが面倒くさくなったので、今日はここまでにしますね。



 

最後までお読みくださってありがとうございます。

 

 

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